主体性を支える保育とは?「子どもを動かす言葉掛け」を園内研修で考える

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「子どもの主体性を大切にしましょう」

保育の現場ではよく聞く言葉です。でも、散歩に出発する時間が迫っているとき、子どもが「まだ行かない」と言ったらどうでしょう。

「気持ちを尊重して待とう」と考える先生もいれば、「ほかの子も待っている」と考える先生もいるはずです。どちらにも、見ている理由があります。

主体性を支える保育を考えるとき、私はこの「判断が分かれるところ」を、職員同士で話してみることが大事だと思っています。

子どもが動いたら、良い関わりだった?

たとえば、トイレに行きたくない子に「うさぎさんが待ってるよ」と声を掛け、子どもがトイレに向かったとします。

その場はうまく進みます。ただ、そこで一度立ち止まってみたいのです。

子どもはトイレに行く理由を理解したのか。うさぎさんに会いたくて行ったのか。嫌がっていた背景に、気づけなかったことはないか。

この声掛けを一度したから良くない、という話ではありません。「子どもが動いた」という結果だけで、関わりを振り返り終えないことが大切です。

「優しい言い方」だけでは変わらないこともある

「早くして!」を「急いでくれる?」に変えると、言葉の印象は柔らかくなります。

でも、子どもが何をしていて、どうして手が止まっているのかを見ないままなら、急がせている状況そのものは変わりません。

あと何分待てるのか。途中まで一緒にできるのか。終わりの見通しを伝えられるのか。言葉とあわせて、時間の使い方や環境も考えたいところです。

もちろん、危険が迫っているときには明確に止める必要があります。主体性を支えることは、子どもの希望をすべて通すことではありません。安全や集団生活の条件を伝えながら、子どもが理解したり選んだりできる余地を探すことだと思います。

園内研修では、答えより「なぜそう考えたか」を聞く

「散歩前、ブロックを続けたい4歳児が『行かない』と言った。ほかの子は玄関で待っていて、職員は2名」

こうした事例を出すと、先生によって最初の対応が分かれます。

そのときに「正解はどれ?」と急がず、

  • 何を一番気にして、その対応を選んだ?
  • 子どもは何を続けたかった?
  • 安全や職員配置で、譲れない条件は?
  • ほかの方法は考えられる?

と聞いてみると、同じ場面でも先生ごとに見ていたものが違うと分かります。

自分とは違う意見を聞いた後に、「では、明日の保育では何を一つ変えてみよう」と考える。そこまでつながる研修にしたいと考えています。

60分の園内研修セットを作りました

このテーマを園内で話し合えるように、「主体性を支える保育・コントロールする保育」の60分研修セットを作りました。

研修資料、受講者用ワークシート、進行台本・ファシリテーターガイド、チェックリストの4点です。散歩前の事例を中心に、個人で考える時間、グループで話す時間、自園の保育に置き換える時間を設けています。

進行台本には、実際に話す言葉や時間を切る声掛けも入れました。園内研修を担当する方が、一から構成や進め方を考えずに使えるようにしています。

▼研修セットの内容と購入ページ
「主体性を支える保育・コントロールする保育」の60分研修セット

「主体性って大切だよね」で終わらず、先生同士で少し立ち止まって考える時間になればうれしいです。