この記事でわかること
- 1歳児が「自分で!」と言いたがる理由
- 「やってあげる」が成長の機会を奪うことがある理由
- 1歳児保育で大切な保育者の関わり方
- 園長や主任が1歳児クラスで見ているポイント
- 主体性や自己肯定感を育てる環境づくり
「自分で!」は成長のサイン
1歳児クラスになると、急に増えてくる言葉があります。
それが、
「自分で!」
です。
靴を履く。
服を着る。
食事をする。
カバンを持つ。
大人からすると、
「時間がないからやってしまった方が早い。」
「どうせうまくできないだろう。」
そう思ってしまうことも少なくありません。
しかし、この「自分で!」こそが、1歳児の発達において非常に重要な意味を持っています。
「できるようになった」ではなく「やってみたい」が大切
1歳児は、まだ十分にできるわけではありません。
靴は左右逆になるかもしれません。
ズボンは前後ろが反対かもしれません。
食事もこぼします。
時間もかかります。
それでも子どもは挑戦します。
なぜなら、
「できるようになったからやる」のではなく、
「やってみたいから挑戦する」
時期だからです。
この挑戦の積み重ねが、やがて本当の意味での「できた」につながっていきます。
大人の「やってあげる」が成長を止めることもある
忙しい朝。
活動の切り替え。
行事前。
保育現場では時間との戦いになることもあります。
そんな時、
「先生がやってあげるね。」
と手を出したくなる気持ちもよく分かります。
もちろん、安全面や時間的な制約から必要な場面もあります。
しかし、
毎回大人が先回りしてしまうと、
子どもは挑戦する機会を失ってしまいます。
そして、
「どうせやってもらえる。」
「難しいことは大人がやってくれる。」
という経験を積み重ねてしまうことがあります。
失敗できる環境こそが成長を育てる
1歳児保育で大切なのは、
成功体験だけではありません。
むしろ、
失敗できる環境です。
こぼしてもいい。
時間がかかってもいい。
うまくできなくてもいい。
その上で、
「やってみたね。」
「頑張ったね。」
「あと少しだったね。」
と過程を認めてもらえる経験が、子どもの自己肯定感を育てていきます。
園長が見る「良い1歳児クラス」の共通点
私が1歳児クラスを見ていて感じることがあります。
それは、
良いクラスほど、
待てる保育者が多い。
ということです。
子どもが靴を履こうとしている。
先生は手を出さずに見守る。
困った時だけ少し支える。
子どもができた瞬間を一緒に喜ぶ。
この空気感があるクラスは、子どもたちがとても生き生きしています。
逆に、
「早く。」
「先生がやるよ。」
「違うよ。」
が多いクラスでは、子どもの挑戦する姿が少なくなっていきます。
「自分で!」はイヤイヤ期への準備でもある
2歳児になると、本格的なイヤイヤ期が始まります。
実は、
1歳児の「自分で!」は、その土台です。
自分で決めたい。
自分で選びたい。
自分でやってみたい。
これはわがままではありません。
自我の芽生えです。
だからこそ、
1歳児のうちに、
「自分でやってみる経験」
をたくさん積み重ねることが、その後の発達にもつながっていきます。
保育所保育指針でも重視される主体性
保育所保育指針では、
子どもが自ら環境に関わり、主体的に活動することの重要性が示されています。
乳児期から、
「自分でやってみたい。」
という気持ちを受け止めることは、
主体性や自己肯定感の土台づくりにつながります。
保育者の役割は、
先回りしてやってあげることではありません。
子どもが挑戦できる環境を整え、
必要な時に支えることです。
まとめ
1歳児の「自分で!」は、
保育者を困らせる言葉ではありません。
成長のサインです。
時間がかかる。
失敗する。
うまくできない。
それでも挑戦したい。
その気持ちを受け止め、
見守り、
必要な時だけ支える。
その積み重ねが、
「やってみよう。」
「もう一回挑戦してみよう。」
という気持ちを育てていきます。
1歳児保育の本質は、
上手にやらせることではありません。
「自分でやってみたい」という気持ちを保障すること。
それが、子どもの主体性や自己肯定感を育てる第一歩なのだと思います。
参考資料
- 保育所保育指針(こども家庭庁)
- 保育所保育指針解説書(こども家庭庁)
- 乳児保育に関するガイドライン(厚生労働省)







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