1歳児の「自分で!」を奪わない保育が子どもを伸ばす

保育内容
この記事は約3分で読めます。

この記事でわかること

  • 1歳児が「自分で!」と言いたがる理由
  • 「やってあげる」が成長の機会を奪うことがある理由
  • 1歳児保育で大切な保育者の関わり方
  • 園長や主任が1歳児クラスで見ているポイント
  • 主体性や自己肯定感を育てる環境づくり

「自分で!」は成長のサイン

1歳児クラスになると、急に増えてくる言葉があります。

それが、

「自分で!」

です。

靴を履く。

服を着る。

食事をする。

カバンを持つ。

大人からすると、

「時間がないからやってしまった方が早い。」

「どうせうまくできないだろう。」

そう思ってしまうことも少なくありません。

しかし、この「自分で!」こそが、1歳児の発達において非常に重要な意味を持っています。


「できるようになった」ではなく「やってみたい」が大切

1歳児は、まだ十分にできるわけではありません。

靴は左右逆になるかもしれません。

ズボンは前後ろが反対かもしれません。

食事もこぼします。

時間もかかります。

それでも子どもは挑戦します。

なぜなら、

「できるようになったからやる」のではなく、

「やってみたいから挑戦する」

時期だからです。

この挑戦の積み重ねが、やがて本当の意味での「できた」につながっていきます。


大人の「やってあげる」が成長を止めることもある

忙しい朝。

活動の切り替え。

行事前。

保育現場では時間との戦いになることもあります。

そんな時、

「先生がやってあげるね。」

と手を出したくなる気持ちもよく分かります。

もちろん、安全面や時間的な制約から必要な場面もあります。

しかし、

毎回大人が先回りしてしまうと、

子どもは挑戦する機会を失ってしまいます。

そして、

「どうせやってもらえる。」

「難しいことは大人がやってくれる。」

という経験を積み重ねてしまうことがあります。


失敗できる環境こそが成長を育てる

1歳児保育で大切なのは、

成功体験だけではありません。

むしろ、

失敗できる環境です。

こぼしてもいい。

時間がかかってもいい。

うまくできなくてもいい。

その上で、

「やってみたね。」

「頑張ったね。」

「あと少しだったね。」

と過程を認めてもらえる経験が、子どもの自己肯定感を育てていきます。


園長が見る「良い1歳児クラス」の共通点

私が1歳児クラスを見ていて感じることがあります。

それは、

良いクラスほど、

待てる保育者が多い。

ということです。

子どもが靴を履こうとしている。

先生は手を出さずに見守る。

困った時だけ少し支える。

子どもができた瞬間を一緒に喜ぶ。

この空気感があるクラスは、子どもたちがとても生き生きしています。

逆に、

「早く。」

「先生がやるよ。」

「違うよ。」

が多いクラスでは、子どもの挑戦する姿が少なくなっていきます。


「自分で!」はイヤイヤ期への準備でもある

2歳児になると、本格的なイヤイヤ期が始まります。

実は、

1歳児の「自分で!」は、その土台です。

自分で決めたい。

自分で選びたい。

自分でやってみたい。

これはわがままではありません。

自我の芽生えです。

だからこそ、

1歳児のうちに、

「自分でやってみる経験」

をたくさん積み重ねることが、その後の発達にもつながっていきます。


保育所保育指針でも重視される主体性

保育所保育指針では、

子どもが自ら環境に関わり、主体的に活動することの重要性が示されています。

乳児期から、

「自分でやってみたい。」

という気持ちを受け止めることは、

主体性や自己肯定感の土台づくりにつながります。

保育者の役割は、

先回りしてやってあげることではありません。

子どもが挑戦できる環境を整え、

必要な時に支えることです。


まとめ

1歳児の「自分で!」は、

保育者を困らせる言葉ではありません。

成長のサインです。

時間がかかる。

失敗する。

うまくできない。

それでも挑戦したい。

その気持ちを受け止め、

見守り、

必要な時だけ支える。

その積み重ねが、

「やってみよう。」

「もう一回挑戦してみよう。」

という気持ちを育てていきます。

1歳児保育の本質は、

上手にやらせることではありません。

「自分でやってみたい」という気持ちを保障すること。

それが、子どもの主体性や自己肯定感を育てる第一歩なのだと思います。

参考資料

  • 保育所保育指針(こども家庭庁)
  • 保育所保育指針解説書(こども家庭庁)
  • 乳児保育に関するガイドライン(厚生労働省)
0歳児保育の本質は「教える」ではなく「応答すること」
この記事でわかること0歳児保育で最も大切なこと「応答的な関わり」が子どもの発達に与える影響愛着形成と探索行動の関係園長や主任が0歳児クラスで見ているポイント保育所保育指針に基づく0歳児保育の考え方「0歳児保育はお世話をする仕事」だと思ってい…
魔の2歳児(イヤイヤ期)はなぜ起こる?保育者が知っておきたい関わり方
この記事でわかること2歳児のイヤイヤ期が起こる理由「イヤ!」の裏側にある子どもの気持ち2歳児保育で大切な関わり方選択肢を与える保育の考え方園長が見ている「良い2歳児クラス」の共通点「イヤ!」は成長の証です2歳児クラスになると、多くの保育者や…
3歳児はなぜルールを守れないのか|「わざと」ではなく発達の途中にある姿
この記事でわかること3歳児がルールを守れない理由「わざとやっている」と感じてしまう背景3歳児保育で大切な関わり方集団生活の中で育つ社会性園長が見る「良い3歳児クラス」の特徴「何度言っても同じことをする」3歳児クラスになると、こんな声を聞くこ…
4歳児の「嘘」は叱るべき?|発達から考える子どもの本当の気持ち
この記事でわかること4歳児が嘘をつく理由「嘘をつく子」と「発達としての嘘」の違い嘘を叱る前に考えたいこと4歳児保育で大切な関わり方園長が見る「良い4歳児クラス」の特徴「〇〇ちゃんがやった。」「僕じゃない。」「知らない。」4歳児クラスになると…
5歳児保育は「教える」から「任せる」へ|就学前に本当に必要な力とは
この記事でわかること5歳児保育の本質小学校入学前に本当に必要な力「教え込む保育」が逆効果になる理由5歳児の主体性を育てる関わり方園長が見る「良い5歳児クラス」の特徴年長だから何でもできるわけではない5歳児クラス。保育園や幼稚園では最年長。運…

コメント

タイトルとURLをコピーしました