保育に正解はないは本当か?|現役園長が考える「より良い保育」を探し続ける大切さ

キャリア
この記事は約4分で読めます。

この記事でわかること

  • 「保育に正解がない」と言われる理由
  • 何でも自由にしてよいわけではない理由
  • 保育士が大切にしたい判断基準
  • 経験だけに頼らない保育の考え方
  • 園全体で保育の質を高めるために必要なこと

「保育に正解はない」という言葉をどう受け取っていますか?

保育士として働いていると、一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。

「保育に正解はないよ」

この言葉は、現場ではよく使われます。

新人保育士が悩んでいる時。

先輩保育士からアドバイスをもらう時。

保育について職員同士で話し合う時。

さまざまな場面で出てきます。

確かに、保育には一つの答えだけでは解決できないことがあります。

子どもは一人ひとり違います。

同じ年齢でも、

興味。

発達。

性格。

家庭環境。

経験。

すべて異なります。

だから、

「この方法をすれば必ず正解」

というものはありません。

しかし、園長として多くの保育を見てきた中で感じることがあります。

それは、

「正解がない」と「何でもいい」は全く違う

ということです。


保育に「正解がない」理由

① 子ども一人ひとりが違うから

例えば、

「子どもが話を聞かない」

という場面があります。

ある子どもには、

優しく声を掛けることで気持ちが切り替わるかもしれません。

別の子どもには、

少し距離を置いて待つことが必要かもしれません。

同じ対応をしても、同じ結果になるとは限りません。

だからこそ保育には、

子どもを見る力

が必要になります。


② 状況によって最善の方法が変わるから

保育では、

「いつでも同じ対応」

が正しいとは限りません。

例えば、

友達とのトラブル。

普段なら、

「自分たちで考えてみよう」

と待つことが大切な場合があります。

しかし、

相手を傷つける可能性がある時は、

保育士がすぐ介入する必要があります。

大切なのは、

決まった方法を使うこと

ではなく、

その場面で何が必要かを考えること

です。


しかし「保育士の感覚だけ」ではいけない

一方で、

「保育に正解はない」

という言葉を間違えて使ってはいけません。

例えば、

「私はこのやり方が好きだから」

「昔からこうしているから」

という理由だけでは、保育の根拠にはなりません。

保育には、

子どもの権利。

発達理解。

保育所保育指針。

安全管理。

など、土台となる考え方があります。

その上で、

目の前の子どもに合わせて考えること

が大切です。


経験豊富な保育士ほど「考え続ける」

長く保育をしている先生ほど、

「自分のやり方」

を持っています。

それは大切な経験です。

しかし、本当に信頼される保育士は、

経験に頼りきりません。

「なぜこの関わりをするのか」

「この子にとって本当に良いのか」

を常に考えています。

経験とは、

答えを決めるもの

ではなく、

より良い答えを探すための材料

です。


良い保育士が持っている5つの視点

① 子どもの姿から考える

「年齢的にこうする」

だけではなく、

「この子は今何を感じているのか」

を見ることが大切です。


② 行動の理由を考える

子どもの行動には理由があります。

落ち着かない。

怒る。

泣く。

友達とトラブルになる。

その姿だけを見るのではなく、

「なぜその行動が出ているのか」

を考えます。


③ 保育を振り返る

良い保育士ほど、

「今日の関わりはどうだったか」

を振り返っています。

成功したこと。

うまくいかなかったこと。

次に試したいこと。

その積み重ねが成長につながります。


④ 周囲の意見を聞く

保育は一人で完成させるものではありません。

同じ子どもを見ても、

保育士によって気付くことは違います。

だからこそ、

「自分の考えが絶対」

ではなく、

職員同士で考えることが大切です。


⑤ 子どもの利益を最優先にする

最終的な判断基準は、

「大人にとって都合が良いか」

ではありません。

「子どもにとってどうか」

です。


園長・主任が作るべき「保育を語れる環境」

保育の質を高めるためには、

職員が安心して意見を言える環境

が必要です。

例えば、

「それは違う」

と否定される環境では、職員は考えることをやめてしまいます。

一方で、

「なぜそう考えたの?」

「子どもの姿はどうだった?」

と対話できる園では、保育が深まります。

良い園は、

正解を押し付ける園

ではありません。

一緒により良い保育を探す園

です。


新人保育士へ伝えたいこと

新人の先生は、

「正しい保育をしなければ」

と思いすぎることがあります。

もちろん、基本を学ぶことは大切です。

しかし、最初から完璧な保育ができる人はいません。

大切なのは、

子どもを見ること。

考えること。

振り返ること。

そして、

分からないことを相談することです。

保育は経験を積みながら深まっていきます。


保育を考えるチェックリスト

□ 子どもの姿を見て判断している

□ 「なぜ?」を考えている

□ 自分の経験だけで決めていない

□ 保育の根拠を確認している

□ 職員同士で話し合っている

□ 子どもの利益を最優先している

□ 日々の保育を振り返っている


まとめ|保育に正解はない。でも「より良い保育」を目指すことはできる

保育には、

すべての子どもに当てはまる一つの答えはありません。

しかし、

だから何でもいい

ということではありません。

子どもの姿を見る。

理由を考える。

根拠を持つ。

振り返る。

その積み重ねによって、

その子にとってのより良い保育

を作っていくことができます。

保育士の仕事は、

答えを覚える仕事ではありません。

子どもと向き合いながら、

より良い答えを探し続ける仕事です。

「保育に正解はない」

という言葉は、

考えなくていいという意味ではありません。

常に学び続けることの大切さを表している言葉なのです。

「保育の質を考える」

コメント

タイトルとURLをコピーしました