この記事でわかること
- なぜ保育士は「保育がしたいのに書類に追われる」と感じるのか
- 書類業務が増え続けている背景
- 園長や主任が考えるべき業務改善の視点
- 保育と書類のバランスを取るために必要な考え方
「子どもと関わるために保育士になったはずなのに」
保育士の方と話をしていると、よくこんな言葉を耳にします。
「書類ばかりで子どもと関われない。」
「連絡帳を書いていたら一日が終わった。」
「保育よりパソコンを見ている時間の方が長い気がする。」
「本当はもっと子どもたちと遊びたい。」
保育士を目指した理由として、
- 子どもが好きだったから
- 子どもの成長に関わりたかったから
- 誰かの役に立ちたかったから
という人は多いと思います。
決して、
「書類を書きたかったから」
保育士になったわけではありません。
だからこそ、このギャップに苦しむ保育士は少なくありません。
保育現場の書類は年々増えている
実際、保育現場の書類業務は以前より増えています。
例えば、
- 指導計画
- 個別記録
- 児童票
- 成長記録
- 連絡帳
- ヒヤリハット報告
- 事故報告書
- 研修報告
- 安全計画
- BCP(業務継続計画)
- 午睡チェック
- アレルギー対応記録
どれも必要なものです。
子どもの安全を守るため。
保育の質を高めるため。
職員間で情報共有を行うため。
理由は十分に理解できます。
しかし現場の感覚として、
「書類を書くために保育をしているわけではない」
という思いが生まれてしまうことも事実です。
書類は敵ではない
ここで誤解してほしくないことがあります。
それは、
書類そのものが悪いわけではない
ということです。
例えば、
事故報告書。
ヒヤリハット。
個別記録。
これらは子どもの命や成長を守るために必要なものです。
また、指導監査や自治体監査においても、
「記録が残っているか」
は重要な確認項目の一つです。
保育所保育指針に基づいた保育を行っていたとしても、記録がなければ証明することはできません。
つまり、
保育を見える化するためのもの
それが書類の本来の役割なのです。
問題なのは「目的」と「手段」が入れ替わること
問題は、
書類を書くことが目的になってしまうことです。
本来の目的は、
- 子どもの育ちを支えること
- 保育の質を高めること
- 安全を守ること
のはずです。
書類はそのための手段に過ぎません。
しかし忙しくなると、
「書かなければならない。」
「終わらせなければならない。」
という意識が強くなります。
すると、
子どもを見る時間より、
パソコンを見る時間の方が長くなってしまう。
そんな本末転倒が起きてしまうのです。
園長や主任が考えるべきこと
ここは個人の努力だけで解決できる問題ではありません。
組織として考える必要があります。
例えば、
□ 本当に必要な書類なのか
昔から続いているから。
前任者がやっていたから。
監査で言われるかもしれないから。
その理由だけで続いている書類はありませんか。
□ 同じ内容を何度も書いていないか
保育現場では、
同じ内容を複数の書類へ転記しているケースも少なくありません。
これは業務改善の余地があります。
□ 誰のための書類なのか
職員の安心のため。
保護者への説明責任のため。
監査対応のため。
目的が明確になるだけでも、書類に対する見え方は変わります。
保育士個人ができることもある
一方で、個人としてできる工夫もあります。
今日やることを明確にする
仕事が早い保育士ほど、
「今日やること」
「今週やること」
を分けて考えています。
完璧を目指しすぎない
特に新人保育士に多いのですが、
100点の連絡帳を書こうとすると終わりません。
まずは提出する。
まずは形にする。
その意識も大切です。
一人で抱え込まない
「終わりません。」
「助けてください。」
これを言えることも立派なスキルです。
保育はチームで行う仕事です。
園長として思うこと
私自身も園長として、
「もっと子どもと関わりたい。」
そう思うことがあります。
現実には、
会議。
シフト作成。
監査対応。
書類確認。
保護者対応。
気が付けば一日が終わっていることも少なくありません。
それでも、
子どもたちの声が聞こえる。
笑い声が聞こえる。
成長する姿が見える。
その瞬間に、
「やっぱり保育っていい仕事だな。」
と思います。
だからこそ、
職員にもできるだけ子どもと向き合う時間を作ってあげたい。
それが園長としての役割の一つだと思っています。
まとめ|書類は保育を支えるためにある
書類業務チェックリスト
□ その書類の目的を理解しているか
□ 同じ内容を何度も書いていないか
□ 本当に必要な書類なのか見直しているか
□ 一人で抱え込んでいないか
□ 子どもと向き合う時間を確保できているか
書類は必要です。
しかし、
書類を書くために保育をしているわけではありません。
保育を支えるために書類がある。
この順番を忘れないことが大切です。
そして園長や主任には、
現場の職員が少しでも子どもたちと向き合える時間を作る努力が求められているのだと思います。







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