【現役園長が語る】保育現場に残る人・離れる人の違い|長く働ける人に共通する特徴とは?

キャリア

保育士は「子どもが好き」だけでは続けられない仕事

「子どもが好きだから保育士になった。」

保育士の多くが、この気持ちを持って現場に入ります。しかし、園長や本部職として多くの職員と関わってきた中で感じるのは、それだけでは長く働き続けることは難しいということです。

もちろん、保育技術や知識は大切です。しかし、それ以上に大切なのは「集団の中で働く力」です。

この記事では、私が園長として多くの職員を見てきた経験から、「保育現場に残る人」と「離れていく人」の違いについてお伝えします。


この記事でわかること

  • 保育現場で長く活躍する人の特徴
  • 離職につながりやすい考え方や行動
  • 良い離れ方と、そうではない離れ方の違い
  • 自分自身を振り返るための視点

保育は一人で完結する仕事ではない

保育士は、一人担任であっても一人で仕事をしているわけではありません。

子どもがいて、保護者がいて、一緒に働く職員がいます。小規模な園であっても、多くの人と関わりながら毎日の保育は成り立っています。

だからこそ、社会人として求められる協調性は非常に重要です。

「私はこうしたい。」
「私は納得できない。」

もちろん、自分の考えを持つことは大切です。しかし、それを常に優先してしまうと、集団で仕事をすることは難しくなります。

保育は、一人の力で成り立つ仕事ではありません。周囲と協力し、お互いを支え合うことで初めて、子どもたちに安心できる環境を提供することができます。


保育現場に残る人に共通する特徴

私がこれまで見てきた中で、長く現場で信頼され、必要とされ続ける人にはいくつかの共通点がありました。

「自分事」として物事を考えられる

保育現場では、自分の仕事だけをしていれば終わる日はほとんどありません。

複数担任、行事の準備、保護者対応、職員同士の連携など、常に誰かと協力しながら仕事を進めています。

だからこそ、自分が忙しいことだけを理由にするのではなく、「今、園全体として何を優先すべきか」を考えられる人は、自然と周囲から信頼されます。

時には自分の仕事を少し止めてでも、困っている職員を手伝う。

逆に、自分が助けてもらう場面では素直に頼る。

こうした姿勢が、結果として働きやすい職場づくりにつながっていきます。

相手を理解しようとする姿勢がある

長く働く人は、自分の意見だけを押し通そうとはしません。

「なぜこの仕事をお願いされたのだろう。」
「園全体で考えると、今はこちらが優先なのかもしれない。」

そんな視点で物事を見ることができます。

全てを我慢するという意味ではありません。

自分の考えを持ちながらも、相手の立場や園全体の状況を理解しようとする姿勢がある人ほど、職場で信頼を積み重ねていきます。


離れていく人に多い傾向

もちろん、保育現場を離れること自体が悪いわけではありません。

実際に、キャリアアップや新しい夢への挑戦、家庭との両立など、前向きな理由で退職する人もたくさんいます。

一方で、残念ながら共通した傾向を感じるケースもあります。

「自分は悪くない」が前提になってしまう

何か問題が起きたとき、

「園が悪い。」
「主任が悪い。」
「同僚が悪い。」

と、原因を周囲だけに求めてしまう人がいます。

もちろん、本当に職場環境に問題がある場合もあります。

しかし、自分自身にも改善できることはなかったかと振り返ることができる人と、すべてを他人や環境の責任にしてしまう人では、その後の成長に大きな差が生まれます。

マイナスな発言が職場全体に広がっていく

不満を持つこと自体は悪いことではありません。

ですが、その不満ばかりを繰り返し口にしていると、少しずつ職場全体の雰囲気まで変えてしまいます。

「あの人もそう思っている。」
「どうせ変わらない。」
「やるだけ無駄。」

そんな空気が広がると、本来前向きに働いていた職員まで影響を受けてしまいます。

結果として職場の雰囲気は悪化し、自分自身も居づらくなり、退職につながるケースを私は何度も見てきました。

こうした職場全体の雰囲気をどう改善し、未然に防ぐかは、園長や主任などマネジメントの重要な役割でもあります。この点については、別の記事で詳しくお伝えしたいと思います。


良い離れ方と、そうではない離れ方がある

私は、退職すること自体が悪いとは思っていません。

保育士という仕事は、人生のすべてではありません。

  • 新しい夢が見つかった。
  • 別の仕事に挑戦したい。
  • 家庭との時間を大切にしたい。
  • 期間を決めて保育士をしていた。

こうした理由で前向きに退職する人は、職場からも「頑張ってね」と応援されながら送り出されます。

一方で、

「全部、人のせい。」

「環境が悪かった。」

「自分は何も悪くない。」

そんな思いだけを抱えたまま退職してしまう人もいます。

その場合、たとえ職場を変えたとしても、同じような悩みを繰り返してしまうことは少なくありません。


園長として最後に伝えたいこと

保育現場に残る人、離れる人。

そして、必要とされ続ける人と、自ら離れていく人。

私は園長として多くの職員を見てきましたが、その違いは決して保育力だけではありませんでした。

普段どのような考え方をしているのか。

周囲とどのように関わっているのか。

自分の仕事だけでなく、園全体を見られているのか。

その積み重ねが、数年後の自分の立場や信頼につながっていくように感じています。

今、もし保育を辞めようか悩んでいる方がいたら、一度だけ自分自身に問いかけてみてください。

「私は前向きな理由で次の一歩を踏み出そうとしているのだろうか。」

それとも、

「何かを誰かのせいにしたまま、この場所を離れようとしていないだろうか。」

答えは人それぞれです。

しかし、一度立ち止まって自分自身を振り返ることは、保育士としてだけではなく、一人の社会人として、これから先の人生にもきっと役立つはずです。

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