【2026年版】東京都の一般指導検査で見られるポイントとは?園長経験者がトレンドを解説

指導検査

はじめに

一般指導検査が近づくと、

「今年はどこを重点的に見られるのだろう。」

「何を準備すればいいのだろう。」

と不安になる園長先生や主任の方も多いのではないでしょうか。

もちろん、一般指導検査は毎年すべての項目が対象です。

しかし、実際には法令改正や社会的な事故・不適切保育などを背景に、その年度ごとに重点的に確認される項目があります。

今回は、東京都の一般指導検査基準を参考に、近年の傾向と今年度特に意識しておきたいポイントについて、園長・本部勤務の経験を踏まえて解説します。


一般指導検査は「法令どおり運営されているか」を確認するもの

一般指導検査は、園を減点するためのものではありません。

目的は、

  • 子どもの安全確保
  • 保育の質の向上
  • 法令に基づく適正な運営

が行われているかを確認することです。

東京都の指導検査基準にも、運営管理・保育内容・安全管理など、園運営に必要な事項が体系的に示されています。東京都福祉局では指導検査基準や実施方針を公開しており、園としては毎年度確認しておくことが重要です。


今年度特に意識したいポイント① 安全計画の「運用」

ここ数年で最も変化が大きいと感じるのが、安全計画の運用です。

令和5年4月から、安全計画の策定・実施・見直しが制度化されました。

しかし、一般指導検査では

「安全計画を作成しているか」

だけでは終わりません。

現在は、

  • 保護者へどのように周知しているか
  • 職員へどのように共有しているか
  • BCP(業務継続計画)との連携
  • 避難訓練や研修が実施されているか
  • 実施した記録が残されているか

といった運用面まで確認される傾向が強くなっています。

東京都でも、安全計画については「策定」「職員・保護者への周知」「研修・訓練の定期的な実施」が求められており、計画を作るだけでは不十分であることが示されています。

つまり、

「書類はある」ではなく、「実際に運用されているか」が重要

ということです。


今年度特に意識したいポイント② 保育士配置基準

もう一つ重要なのが、保育士配置基準です。

近年、配置基準の見直しが行われ、

  • 3歳児
  • 4・5歳児

の配置基準が改善されました。※子ども家庭庁:基礎資料(配置改善).pdf

そのため、

  • 人数計算
  • 勤務実績
  • みなし保育士の取扱い
  • 自治体ごとの運用ルール

これらが正しく運用されているかは、例年以上に確認される可能性があります。

特に東京都では自治体ごとに運用上の考え方が異なる部分もあるため、「国の基準」と「自治体の運用」を混同しないことが重要です。

また、こども家庭庁でも配置基準の改善や保育士の取扱いに関する通知を継続して公表しており、最新の通知まで確認しておくことが望まれます。


法令改正があった項目は重点的に確認される

これは私自身の経験からも感じていますが、法令改正があった項目は、一般指導検査でも重点的に確認されることが多い印象があります。

だからこそ、

  • 安全計画
  • 配置基準
  • 人権擁護
  • 虐待防止
  • 安全管理

など、近年改正や通知があった項目については、毎年度確認しておくことをおすすめします。


昨年度感じたトレンド

昨年度は、多くの自治体で午睡中の安全確認について細かく確認されていました。

特に、

  • SIDS(乳幼児突然死症候群)対策
  • 午睡チェックの実施状況
  • 午睡時の室内環境(明るさや見守り体制)
  • 記録の方法

については、質問される園も多かったように感じます。

事故防止は保育所運営の根幹となる部分であり、今後も継続して確認される可能性は高いでしょう。


指導検査基準は「読むべき教科書」

一般指導検査基準は、初めて見ると非常に読みにくく感じます。

文章量も多く、「検査のための資料」という印象を受けるかもしれません。

しかし、その内容を一つひとつ見ていくと、園運営で本当に大切なことがすべて書かれています。

だからこそ、園長や施設長など管理監督者は、

「検査前だけ読む資料」

ではなく、

日頃の園運営の教科書

として活用してほしいと思います。


指摘を受けないことがゴールではない

最後に一つお伝えしたいことがあります。

一般指導検査では、

「口頭指導だったから大丈夫。」

「文書指摘がなかったから安心。」

という考え方になりがちです。

もちろん、それも一つの結果です。

しかし、本当に大切なのは、

  • 園の現状を第三者に見てもらい、
  • 改善点を知り、
  • 保育の質をさらに高める機会として捉えることです。

園の評価は、施設長や園長のマネジメントそのものでもあります。

だからこそ、指導検査を「評価される日」と考えるのではなく、「より良い園づくりのための機会」と前向きに受け止めていただきたいと思います。


まとめ

今年度の一般指導検査では、

  • 安全計画の実際の運用
  • BCPを含めた職員・保護者への周知
  • 保育士配置基準の適正な運用
  • 人権擁護と安全管理
  • 午睡・SIDS対策など事故防止

といった項目は、特に確認される可能性が高いと考えています。

もちろん、一般指導検査基準[保育所検査基準(令和8年5月1日適用)]に記載されているすべての項目が重要です。

しかし、法令改正や近年の社会的背景を踏まえると、今回ご紹介した内容は前後数年間にわたり参考になるポイントです。

ぜひ、一般指導検査前のセルフチェックに役立てていただければ幸いです。

保育所等における安全計画の策定に関する留意事項等について|事業者の方へ(通知・事務連絡・お知らせ)|東京都福祉局
東京都福祉局の保育所等における安全計画の策定に関する留意事項等について(事業者の方へ(通知・事務連絡・お知らせ))のページです。
e-Gov 法令検索
電子政府の総合窓口(e-Gov)。法令(憲法・法律・政令・勅令・府省令・規則)の内容を検索して提供します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました