【2026年最新版】「不適切保育」はどう変わった?保育士が知っておきたいガイドラインと具体例

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毎日、子どもたちの命と成長を守る保育現場。

本当にいつもお疲れ様です。

最近、保育現場で「不適切保育」や「虐待」という言葉を耳にする機会が増えました。

ニュースを見て、

「こんなことが保育園で起きているのか……」

と驚く一方で、

「自分の保育は大丈夫かな?」

「今の言葉かけは、厳しすぎなかったかな?」

「子どものためと思ってやっていることも、不適切保育になるのかな?」

と、不安を感じる保育士もいるのではないでしょうか。

2025年10月1日からは、児童福祉法等の改正により、保育所等の職員による虐待について、虐待を受けたと思われる子どもを発見した人に通報義務が設けられました。

そして2026年4月には、「保育所や幼稚園等における虐待の防止及び発生時の対応等に関するガイドライン」が一部改訂されています。

今回の改訂で、実は「不適切保育」の捉え方そのものが変わりました。

大切なのは、

「不適切保育をしないように、もっと厳しく自分を管理しなければならない」

と考えることではありません。

むしろ、

「日々の保育を振り返り、子どもの立場から考え、より良い保育へ改善していく」

という考え方が、より明確になったと捉えることができます。

本記事では、2026年4月改訂の最新ガイドラインを踏まえながら、

  • 2026年版で「不適切保育」の考え方はどう変わったのか
  • 「不適切保育」と「虐待」はどう違うのか
  • 保育現場で起こりやすい具体的な場面
  • 明日からできる保育の振り返り
  • 保育士同士で何を話し合えばよいのか

について、現場の保育者がイメージしやすいように整理します。

2026年のガイドラインで「不適切保育」はどう変わった?

まず、ここは今回の記事で最も重要なポイントです。

これまでのガイドラインでは、「不適切な保育」という言葉が使われ、虐待等が疑われる事案として整理されていました。

しかし、2026年4月の改訂では、この考え方が整理し直されています。

現在のガイドラインでは、

「不適切な保育」や「子どもの人権擁護の観点から望ましくないと考えられる関わり」

という概念を中心にするのではなく、「虐待」という概念を軸に対応を整理することになりました。

これは、

「不適切保育という言葉がなくなったから、何をしてもいい」

という意味ではありません。

むしろ、逆です。

ガイドラインでは、

「一つひとつの行為だけを見れば虐待に該当しない場合でも、日々の振り返りによって改善されなければ、そのような行為の繰り返しによって虐待になり得る」

という考え方が示されています。

つまり、

日々の保育の延長線上に、虐待がある。

ということです。

ここは、保育現場で働く私たちにとって、とても重要な考え方ではないでしょうか。

「不適切保育ではない=問題ない」ではない

例えば、

「早く片付けなさい!」

「何回言ったら分かるの?」

「もう遊ばせないよ」

といった言葉。

一度の言葉だけで、直ちに虐待と判断されるとは限りません。

しかし、それが日常的になっていたらどうでしょうか。

子どもが怖がっている。

保育士の顔色をうかがっている。

失敗すると怒られると思っている。

自分の気持ちを言えなくなっている。

こうした姿が見られているにもかかわらず、

「いつものことだから」

「この子にはこれくらい言わないと分からないから」

と改善されなければ、そこには大きな問題があります。

大切なのは、

「これは虐待ですか?」

という線引きだけではありません。

「この関わりは、子どもにとって本当に良い関わりなのか?」

と考えることです。

2026年のガイドラインでも、日々の保育実践を振り返り、子どもの立場から保育を捉え直すことが重視されています。

保育所等における「虐待」は4つに整理されている

2026年のガイドラインでは、保育所等における虐待を、

①身体的虐待
②性的虐待
③ネグレクト
④心理的虐待

の4つに整理しています。

例えば身体的虐待には、殴る、蹴る、叩く、激しく揺さぶる、身体を拘束する、戸外に閉め出すなどが挙げられています。

心理的虐待については、著しい暴言や拒絶的な対応、子どもの心を傷つける言動などが挙げられています。

また、ネグレクトには、健康や安全への配慮を怠ることだけではなく、長時間放置することや、他の職員による不適切な指導を知りながら放置することなども含まれています。

ここで注意したいのは、

「虐待かどうかを自分で断定しなければならない」

と考えないことです。

現場の職員に求められているのは、虐待を受けたと思われる子どもを発見した場合に、速やかに通報することです。

判断を一人で抱え込むのではなく、必要な機関につなぐことも、子どもを守るための大切な役割です。

以前示されていた「5つの観点」も、保育を振り返る材料になる

「不適切保育」と聞くと、以前から示されていた5つの行為類型を思い浮かべる保育士も多いでしょう。

これまで、

①子ども一人ひとりの人格を尊重しない関わり
②物事を強要するような関わり・脅迫的な言葉がけ
③罰を与える・乱暴な関わり
④子ども一人ひとりの育ちや家庭環境への配慮に欠ける関わり
⑤差別的な関わり

という5つの観点が示されてきました。

2026年版の国のガイドラインでは、これらを「不適切な保育」という概念としてそのまま整理するのではなく、「虐待」を軸に考える形へ変更されています。

ただし、これらの視点そのものが保育を振り返る上で意味を失ったわけではありません。

むしろ、

「自分の保育を見直すための視点」

として考えると、とても分かりやすいものです。

例えば、

「子どもの人格を尊重できているだろうか」

「子どもに選択肢を与えられているだろうか」

「大人の都合で子どもを動かしていないだろうか」

「一人ひとりの背景を見ているだろうか」

「特定の子どもだけを決めつけて見ていないだろうか」

こうした問いを持つことが、日々の保育の質を高めていきます。

場面①|午睡「寝かせること」が目的になっていないか

保育現場で、特に難しさを感じる場面の一つが午睡です。

なかなか寝付けない子。

隣の友達と話してしまう子。

布団から出てしまう子。

そんな時、

「早く寝て!」

「静かにして!」

「先生、連絡帳書けないでしょ!」

と、つい強い言葉になってしまうことがあります。

もちろん、保育士にも仕事があります。

午睡中に連絡帳を書いたり、記録をしたり、休憩を取ったりしなければなりません。

だからこそ、

「なぜ寝ないのか」

を考える視点が大切です。

眠くないのかもしれません。

環境が落ち着かないのかもしれません。

午前中に十分に身体を動かせていないのかもしれません。

隣の子が気になっているのかもしれません。

安心できる保育士のそばなら、落ち着けるのかもしれません。

「寝かせる」

だけではなく、

「この子が安心して身体を休めるには、何が必要だろう?」

と考えてみる。

それだけでも、保育の見え方は変わってきます。

場面②|給食「食べさせること」が目的になっていないか

給食も、保育士が悩みやすい場面です。

「全部食べてから遊ぼうね」

「一口だけでも食べよう」

「残したらダメだよ」

「好き嫌いしないで」

こうした声かけをした経験は、多くの保育士にあるのではないでしょうか。

もちろん、食事の経験を大切にすることは必要です。

しかし、

「食べさせること」

が目的になってしまうと、子どもの気持ちが置き去りになることがあります。

なぜ食べられないのか。

味が苦手なのか。

食感が嫌なのか。

量が多いのか。

疲れているのか。

友達との会話が楽しくて食事に集中できないのか。

子どもによって理由は違います。

だからこそ、

「どうして食べないの?」

ではなく、

「どうしたら、この子が食事を楽しめるだろう?」

と考えることが大切です。

食事は、子どもにとって毎日の生活そのものです。

食べることを「できる・できない」で評価するのではなく、食事そのものが安心できる時間になっているかを考えてみたいところです。

場面③|活動の切り替え「動かす」より「動ける環境」を考える

片付けの時間になっても遊び続ける。

次の活動に移らない。

並ぶことができない。

こうした場面も、保育士にとっては日常です。

「早く片付けて!」

「並んで!」

「まだ遊んでるの?」

「置いていくよ!」

と声をかけることもあるでしょう。

しかし、何度言っても同じことが起きるのであれば、

「この子に何度言えば伝わるか」

だけを考えるのではなく、

「この環境で、本当に子どもが動きやすくなっているか」

を考えてみることも大切です。

例えば、

片付ける場所を分かりやすくする。

写真やマークを使う。

次の活動を見えるようにする。

「あと5分で片付けるよ」と見通しを伝える。

並ぶ場所を床のマークで示す。

子どもが自分から動けるように環境を整える。

こうした工夫によって、保育士の「注意する回数」が減ることもあります。

子どもを変える前に、環境を変えてみる

これは、不適切保育を考える上でも大切な視点だと思います。

何度言っても走る子がいる。

何度言っても片付けない子がいる。

何度言っても話を聞かない子がいる。

そんな時、

「この子は何度言ってもできない」

と考えることもできます。

でも、

「なぜ、この環境ではできないのだろう?」

と考えることもできます。

例えば、

動線が走りたくなるようになっていないか。

待ち時間が長すぎないか。

説明が長すぎないか。

子どもにとって見通しが持てているか。

活動そのものが発達に合っているか。

こうして考えると、

「子どもを変える」

という発想から、

「保育を変える」

という発想に変わります。

私は、ここが保育の専門性の一つだと思っています。

「子どものため」が、いつの間にか大人の都合になっていないか

保育の中では、

「子どものため」

という言葉がたくさん使われます。

安全のため。

集団生活のため。

生活習慣を身につけるため。

他の子どものため。

社会性を育てるため。

もちろん、どれも大切です。

ただ、

「子どものため」

と言いながら、実は、

「保育士が進めやすいから」

「時間通りに終わらせたいから」

「他の子どもを待たせたくないから」

という大人側の都合が混ざっていないか。

ここは、一度立ち止まって考えてみる必要があります。

例えば、

「早くして」

と言った時。

本当に子どもの安全のためなのか。

それとも、大人が予定通りに進めたいからなのか。

もちろん、時間を守る必要がある場面もあります。

だからこそ、

「今の声かけには、どんな目的があったのか」

を振り返ることが大切なのです。

保育士に求められるのは「完璧な保育」ではない

ここまで読んで、

「じゃあ、保育士は何も強く言ってはいけないの?」

と思う人もいるかもしれません。

私は、そうではないと思います。

保育士も人間です。

毎日、何十人もの子どもと関わりながら、安全を守り、時間を管理し、保護者対応をし、記録を書き、職員同士で連携しています。

余裕がなくなることもあります。

思わず強い口調になってしまうこともあるでしょう。

大切なのは、

「一度も間違えない保育士になること」ではありません。

「今の関わりはどうだっただろう?」

と立ち止まれることです。

「ちょっと言い過ぎたかな」

と思ったら、子どもに、

「先生、ちょっと強く言いすぎたね」

と伝えることもできます。

そして、

「次はどうしようか」

と考える。

この繰り返しが、保育の専門性につながっていくのではないでしょうか。

一人で抱え込まないことも、不適切保育を防ぐ大切な方法

2026年のガイドラインでも、日々の保育実践を振り返ること、職員同士で対話すること、相談しやすい職場環境をつくることが重要だとされています。

例えば、

「今日、○○ちゃんへの声かけ、ちょっと強かったかもしれない」

「私だったらどう関わるかな?」

「最近、○○ちゃんが怒られることが増えているよね」

「環境を変えたら少し落ち着くかもしれない」

こうした会話ができる園は強いと思います。

逆に、

「そんなこと言ったら怒られる」

「先輩だから言えない」

「園長に相談しにくい」

「自分だけ悪いと思われたくない」

という環境では、問題が見えにくくなります。

不適切な保育を防ぐためには、個人の努力だけでは限界があります。

何でも話せる職員関係をつくること自体が、虐待防止につながるのです。

「あの先生、大丈夫かな?」と思った時にどうするか

もし、

「あの先生の言い方、少し怖いな」

「最近、○○先生が子どもに強く当たっている気がする」

「何度も同じような関わりをしている」

と感じたら、見て見ぬふりをしないことも大切です。

もちろん、いきなり誰かを「虐待している」と決めつける必要はありません。

まずは、

「最近、○○ちゃんが先生の声を聞くとすごく固まるんだけど、どう思う?」

「この場面、もう少し違う関わり方ができないかな?」

と、子どもの姿を中心に話す方法もあります。

ただし、虐待が疑われる場合には、一人で解決しようとしてはいけません。

2025年10月1日からは、虐待を受けたと思われる子どもを発見した者には通報義務があります。通報先は都道府県または市町村です。

また、法改正では、適切な通報をしたことを理由として職員が不利益な扱いを受けないための規定も設けられています。

「自分が言ったら、園で問題になるかもしれない」

「人間関係が悪くなるかもしれない」

と感じることもあるでしょう。

それでも、最優先に考えるべきなのは子どもの安全と権利です。

2026年4月から「重大事案」は国への報告も

今回の2026年4月改訂で、もう一つ知っておきたいことがあります。

虐待と判断された事案のうち、

  • 職員の逮捕に至るもの
  • 子どもの心身に重大な影響を及ぼすもの
  • 組織的な事案
  • 長期にわたる事案

などの重大事案については、こども家庭庁へ速やかに報告することが整理されました。

さらに、虐待に該当するかどうかにかかわらず、事実確認を行った事案については、こども家庭庁が毎年度実施する調査で結果を報告することとされています。

これまで以上に、

「園の中だけで終わらせる問題ではない」

という意識が必要になってきたと言えるでしょう。

ガイドラインが厳しくなったのではなく、「振り返る仕組み」が明確になった

ここまで読むと、

「なんだか保育士に対するルールがどんどん厳しくなっている」

と感じる人もいるかもしれません。

しかし、2026年版ガイドラインには、とても大切な考え方が書かれています。

今回の制度は、基本的に虐待を行った職員を罰することだけを目的としたものではなく、保育の改善を目的としたものとされています。

私は、ここを現場の保育士にも知っておいてほしいと思います。

もちろん、明らかな虐待は絶対に許されません。

子どもの安全を守るため、必要な対応が行われなければなりません。

一方で、日々の保育には、

「今の関わり、もっと良くできたかもしれない」

という小さな気づきもあります。

その気づきを、

「失敗した」

で終わらせるのではなく、

「次はどうしよう」

につなげていく。

そのための仕組みとして、ガイドラインを捉えることが大切なのではないでしょうか。

今日の保育を振り返る5つの質問

最後に、今日からでもできる簡単な振り返りを紹介します。

① 子どもの立場から見て、安心できる関わりだったか?

保育士側ではなく、

「この子から見たらどうだっただろう?」

と考えてみます。

② 大人の都合で子どもを動かしていなかったか?

「時間だから」

「予定だから」

「他の子が待っているから」

という理由だけで、子どもの気持ちを置き去りにしていなかったかを考えます。

③ 子どもの行動の背景を考えたか?

「できない」

「やらない」

「困った子」

で終わらせず、

「なぜそうしているのだろう?」

と考えてみます。

④ 環境を変えることで解決できなかったか?

子どもへの声かけを増やす前に、

「環境を変えたらどうなる?」

と考えてみます。

⑤ 職員同士で話し合えているか?

一人で抱えていないか。

気になることを言える関係があるか。

「これってどうなんだろう?」

を安心して話せる職場になっているか。

ここも大切なチェックポイントです。

まとめ|「不適切保育をしない」だけではなく、「より良い保育を考え続ける」

2026年4月のガイドライン改訂で、「不適切な保育」という言葉の位置づけは大きく整理されました。

国のガイドラインでは、「不適切な保育」という概念を中心にするのではなく、

身体的虐待
性的虐待
ネグレクト
心理的虐待

という4つの虐待を軸に整理されています。

一方で、

「虐待に該当しなければ問題ない」

ということではありません。

日々の保育の中で、

「この関わりは子どもにとってどうだっただろう」

と振り返る。

必要であれば職員同士で話し合う。

改善できることは改善する。

それでも改善されない場合や、虐待が疑われる場合には、園内だけで抱え込まず、適切な機関につなげる。

こうした一連の流れをつくることが、2026年のガイドラインから私たちが学ぶべき大切なポイントだと思います。

保育に正解はありません。

だからこそ、

「自分は間違っていない」

と考えるのではなく、

「もっと子どもにとって良い関わり方はないだろうか」

と考え続けることが、保育士としての専門性につながっていくのではないでしょうか。

完璧な保育士になる必要はありません。

間違いに気づけること。

立ち止まれること。

誰かに相談できること。

そして、チームでより良い保育を考えられること。

それが、子どもの権利を守り、保育士自身も安心して働ける園づくりにつながっていくのだと思います。

「子ども家庭庁:保育所等における虐待防止及び発生時の対応等について」

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