この記事でわかること
- 3歳児がルールを守れない理由
- 「わざとやっている」と感じてしまう背景
- 3歳児保育で大切な関わり方
- 集団生活の中で育つ社会性
- 園長が見る「良い3歳児クラス」の特徴
「何度言っても同じことをする」
3歳児クラスになると、こんな声を聞くことがあります。
「何回言ったら分かるの?」
「さっき言ったばかりなのに。」
「わざとやっているのかな?」
保護者も保育者も、一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
順番を守れない。
走ってはいけない場所で走る。
話を聞いていない。
友達のおもちゃを使ってしまう。
確かに困る場面も多くあります。
しかし、
ここで知っておいてほしいことがあります。
それは、
3歳児はルールを守ろうとしていないのではなく、ルールを理解している途中である。
ということです。
3歳児は「自分」から「みんな」へ視野が広がる時期
0歳児は安心できる大人との関係。
1歳児は「自分でやりたい」。
2歳児は「自分で決めたい」。
そして3歳児になると、
少しずつ世界が広がります。
友達の存在を意識する。
順番という概念が生まれる。
みんなで遊ぶ楽しさを知る。
つまり、
「自分」から「みんな」へ
視点が広がり始める時期なのです。
しかし、
まだその途中です。
頭では分かっていても、
気持ちが勝ってしまう。
楽しいと走ってしまう。
欲しいものがあると先に取ってしまう。
それが3歳児です。
「分かっている」と「できる」は違う
3歳児保育でとても大切な考え方があります。
それは、
分かっていることと、できることは違う。
ということです。
例えば、
「廊下は歩く。」
これは理解しています。
でも、
友達が楽しそうに走っていたら?
大好きなおもちゃが見えたら?
嬉しいことがあったら?
つい走ってしまいます。
これは反抗ではありません。
発達の途中にある自然な姿です。
ルールは教えるものではなく、一緒に作るもの
3歳児クラスで大切なのは、
ルールを押し付けることではありません。
なぜ歩くのか。
なぜ順番があるのか。
なぜ待つ必要があるのか。
一緒に考えることです。
例えば、
「走るとどうなるかな?」
「ぶつかると痛いよね。」
「みんなが気持ちよく使うにはどうしたらいいかな?」
こうした対話を積み重ねることで、
ルールは「守らされるもの」から、
「みんなで気持ちよく過ごすためのもの」へ変わっていきます。
園長が見る「良い3歳児クラス」の共通点
私が3歳児クラスを見るとき、
必ず見ていることがあります。
それは、
保育者が理由を伝えているか。
ただ、
「ダメ。」
「やめなさい。」
で終わっていないか。
なぜなのか。
どうしたらよいのか。
そこまで丁寧に伝えているクラスは、
子どもたち自身が考えて動けるようになっていきます。
逆に、
指示や注意だけが増えていくと、
保育者がいないと動けないクラスになってしまいます。
トラブルは社会性を学ぶチャンス
3歳児になると、
友達同士のトラブルも増えてきます。
押した。
取った。
入れてくれない。
貸してくれない。
しかし、
これも成長です。
相手にも気持ちがある。
自分の思い通りにならないことがある。
話し合うと解決できる。
こうした経験を繰り返しながら、
子どもたちは社会性を身につけていきます。
トラブルをなくすことが保育ではありません。
トラブルを通して学べる環境を作ることが保育です。
保育所保育指針でも重視される協同性
保育所保育指針では、
幼児期における協同性や人との関わりの重要性が示されています。
3歳児はまさに、
その入り口に立っている時期です。
保育者の役割は、
ルールを守らせることだけではありません。
友達と関わる楽しさを伝え、
集団で生活する心地よさを支えることです。
まとめ
3歳児は、
ルールを守れないのではありません。
まだ、
ルールを理解し、
使いこなせるようになっている途中なのです。
だからこそ、
叱るよりも伝える。
指示するよりも考える。
命令するよりも対話する。
その積み重ねが、
やがて子どもたちの社会性や協調性につながっていきます。
3歳児保育の本質は、
ルールを覚えさせることではありません。
「みんなで生活する心地よさ」を伝えること。
それが、これから始まる集団生活の大切な土台になっていくのだと思います。
参考資料
- 保育所保育指針(こども家庭庁)
- 保育所保育指針解説書(こども家庭庁)
- 幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン(こども家庭庁)







コメント