気になる子で終わらせてない?|配慮が必要な子どもへの関わり方を現役園長が解説

保育内容
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この記事でわかること

  • 「気になる子」と言われる子どもの本当の姿
  • 行動の裏側にある子どもの困り感
  • 保育士が意識したい関わり方のポイント
  • 配慮が必要な子どもへのチーム対応
  • 「できない」ではなく「どうしたらできるか」を考える保育

「気になる子」で終わらせていませんか?

保育現場では、こんな言葉を耳にすることがあります。

「この子、少し気になるよね」

「集団活動に入りにくいんです」

「何度伝えても同じことを繰り返します」

もちろん、保育士が子どもの姿を丁寧に見ようとしているからこそ出てくる言葉です。

しかし、園長として多くの保育士と関わってきた中で感じることがあります。

それは、

「気になる行動」には、必ず理由がある

ということです。

子どもは、わざと困らせようとしているわけではありません。

大人から見ると、

  • 落ち着きがない
  • 話を聞かない
  • 急に怒る
  • 集団行動が苦手

と見える姿も、子どもの側から見ると、

「どうしたらいいのか分からない」

「刺激が多すぎて困っている」

「自分の気持ちをうまく伝えられない」

というサインかもしれません。


「困った子」ではなく「困っている子」と考える

保育で大切な視点があります。

それは、

子どもの行動だけを見るのではなく、その背景を見ること

です。

例えば、

友達を叩いてしまう子がいたとします。

その時、

「叩いてはいけないでしょ」

と注意することは必要です。

しかし、それだけでは十分ではありません。

考えたいのは、

「なぜ叩いたのか」

という部分です。

例えば、

  • 言葉で気持ちを伝えることが難しかった
  • 順番を待つことが苦手だった
  • 急な予定変更に戸惑った
  • 遊び方が分からなかった

など、理由があるかもしれません。

行動だけを止めるのではなく、

その子が困らなくなる方法を考えること。

それが配慮のある保育につながります。


配慮が必要な子どもによく見られる姿

もちろん、子どもの発達には個人差があります。

「この行動があるから発達障害」

という単純な判断はできません。

ただ、保育士として、

「少し丁寧に見ていきたい」

と考えるきっかけになる姿はあります。

例えば、

① 集団活動への参加が難しい

  • 座って話を聞くことが難しい
  • 活動の切り替えに時間がかかる
  • 急な変更で混乱する

という姿です。

この場合、

「集中できない」

と考えるだけではなく、

  • 活動時間が長すぎないか
  • 見通しを伝えているか
  • 分かりやすい環境になっているか

を見直すことが大切です。


② 感情のコントロールが難しい

突然怒る。

泣き続ける。

気持ちを切り替えられない。

こうした姿を見ると、

「わがままなのかな」

と思ってしまうことがあります。

しかし、子ども自身も、

「怒りたい」

「困らせたい」

と思っているわけではありません。

感情を整理する方法を、まだ十分に身につけていないだけかもしれません。

保育士は、

「泣かないようにする」

ではなく、

「気持ちを表現する方法を増やす」

ことを支援します。


③ 友達との関係づくりが難しい

友達とのトラブルが多い子もいます。

例えば、

  • 順番を守れない
  • 相手との距離感が難しい
  • 遊びに入りたいけれど方法が分からない

などです。

この時、

「仲良くしなさい」

だけでは解決しません。

保育士が、

「一緒に遊ぼうって言ってみようか」

「貸してって伝えてみよう」

と具体的な方法を知らせることが必要です。


保育士がやってしまいがちな対応

子どものためを思っていても、知らないうちに逆効果になることがあります。

「どうしてできないの?」

子どもにとっては、

できない理由が分からない

ことがあります。

必要なのは、

「できないことを責める」

ことではなく、

「できる方法を一緒に探す」

ことです。


「みんなできているよ」

集団生活では比較してしまう場面があります。

しかし、

「みんなできるのに」

という言葉は、その子自身を否定されたように感じることがあります。

大切なのは、

その子の昨日からの成長を見ることです。


何でも許してしまう

配慮と甘やかしは違います。

例えば、友達を傷つける行動は止める必要があります。

ただし、

「ダメ」

だけで終わらせず、

「どうすればよかったか」

を一緒に考えることが大切です。


配慮が必要な子どもへの関わり方5つのポイント

① 子どもの姿を肯定的に見る

まず大切なのは、

「問題行動を見る」

のではなく、

「その子の特徴を見る」

ことです。

得意なこと。

好きなこと。

安心できる環境。

そこから関わり方を考えます。


② 見通しを持てるようにする

子どもは、

先が分からないこと

に不安を感じます。

例えば、

「あと5分遊んだら片付けるよ」

「次は給食です」

など、見通しを伝えることで安心できます。


③ 環境を調整する

子どもを変えようとする前に、

環境を変える

という視点が大切です。

例えば、

  • 座る場所を変える
  • 玩具の量を調整する
  • 活動時間を工夫する
  • 少人数で取り組む

などがあります。


④ 小さな成功体験を積む

できないことを繰り返し求めると、自信を失ってしまいます。

まずは、

「できた」

という経験を増やすこと。

その積み重ねが成長につながります。


⑤ 職員一人で抱え込まない

配慮が必要な子どもへの対応は、一人の保育士だけで解決するものではありません。

担任。

主任。

園長。

必要に応じて専門機関。

チームで考えることが大切です。


園長や主任が大切にしたいこと

配慮が必要な子どもへの対応で、園の雰囲気は大きく変わります。

大切なのは、

「担任の力量不足」

にしないことです。

経験豊富な保育士でも、悩むことはあります。

だからこそ、

相談できる環境。

情報共有できる時間。

職員同士で考える文化。

が必要になります。

良い園は、

「困った子がいる」

ではなく、

「困っている子をどう支えるか」

を考えます。


保護者が知っておきたいこと

子どもの成長には個人差があります。

周囲と比べて、

「うちの子は大丈夫かな」

と不安になる保護者もいるかもしれません。

しかし、子どもを見る時に大切なのは、

「できる・できない」

だけではありません。

その子が、

安心して過ごせているか。

自分らしく成長できているか。

を見ることです。

園と家庭が一緒に子どもの姿を理解していくことが、最も大切です。


配慮が必要な子どもへの関わりチェックリスト

□ 行動だけではなく理由を考えている

□ 「困った子」ではなく「困っている子」と考えている

□ 子どもの得意なことを見つけている

□ 見通しを伝えている

□ 環境調整を考えている

□ 小さな成功体験を大切にしている

□ 職員間で情報共有している

□ 一人で抱え込んでいない


まとめ|子どもを変える前に、環境と関わり方を変える

「気になる子」と呼ばれる子どもには、

必ずその子なりの理由があります。

大切なのは、

行動だけを見て判断することではありません。

なぜその行動が起きているのか。

どうすれば安心して過ごせるのか。

を考えることです。

保育とは、

子どもを大人の理想に合わせることではありません。

一人ひとり違う子どもの姿を理解し、その子が成長できる環境を整えることです。

「困った子」ではなく、

「困っている子かもしれない」

という視点を持つことで、保育は大きく変わります。

子ども一人ひとりが安心して過ごせる園を作るために、私たち大人が学び続けることが大切です。

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