発表会で子どもが壊れる理由|「見せる保育」から「育つ行事」へ現役園長が解説

保育内容
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この記事でわかること

  • 発表会が子どもの負担になってしまう理由
  • 「見せるための行事」と「育ちにつながる行事」の違い
  • 保育士が行事準備で大切にしたい視点
  • 子ども主体の発表会を作る方法
  • 園長・主任が見直すべき行事運営のポイント

発表会は子どもの成長を支える大切な行事です

保育園では、年間を通してさまざまな行事があります。

運動会。

発表会。

生活発表会。

卒園式。

どれも子どもの成長を保護者に伝える大切な機会です。

子どもが舞台に立ち、

歌を歌う。

劇をする。

楽器を演奏する。

その姿を見て、成長を感じる保護者も多いでしょう。

しかし、園長として現場を見てきた中で、一つ考えてほしいことがあります。

それは、

その行事は、本当に子どもの成長につながっていますか?

ということです。

行事そのものが悪いわけではありません。

問題なのは、

「子どものための行事」

がいつの間にか、

「大人が満足するための行事」

になってしまうことです。


「発表会のための保育」になっていませんか?

発表会が近づくと、保育現場では忙しくなります。

衣装準備。

台本作り。

小道具制作。

練習時間の確保。

保護者への案内。

もちろん、子どもたちのために先生たちは一生懸命準備します。

しかし、ここで一度考えたいことがあります。

子どもたちは、

「発表会を成功させるため」

に保育園生活を送っているわけではありません。

子どもたちは、

遊びながら。

友達と関わりながら。

試行錯誤しながら。

成長しています。

その過程を大切にした結果として、発表会があります。

順番が逆になってはいけません。


発表会で子どもが苦しくなる3つの理由

① 大人が求める完成度が高くなりすぎる

発表会では、どうしても、

「きれいに揃った姿」

を求めてしまいます。

歌は全員同じ声で。

動きは全員同じタイミングで。

セリフは間違えずに。

もちろん、練習すること自体は大切です。

しかし、子どもには一人ひとり違いがあります。

すぐ覚えられる子。

時間が必要な子。

人前が苦手な子。

表現方法が違う子。

全員を同じ形にはめようとすると、子どもの個性が失われてしまいます。

大切なのは、

「できるようにすること」

だけではありません。

「挑戦した過程を認めること」

です。


② 練習が子どもの遊び時間を奪ってしまう

発表会前になると、

「練習しなきゃ」

という気持ちが強くなります。

しかし、乳幼児期の学びの中心は、

遊び

です。

子どもは遊びの中で、

  • 想像力
  • 表現力
  • 協同性
  • 考える力

を育てています。

例えば劇遊び。

本来なら、

「どんな役をやりたい?」

「どうしたら面白いかな?」

と子ども自身が考える時間があります。

しかし、

「先生が決めた動きを覚える時間」

になってしまうと、主体性は育ちにくくなります。


③ 失敗できない雰囲気になる

子どもにとって大切なのは、

成功する経験

だけではありません。

失敗する経験も成長につながります。

セリフを忘れる。

動きを間違える。

恥ずかしくて声が出ない。

本番では、そんなこともあります。

でも、それも子どもの姿です。

大切なのは、

失敗しない発表会

ではなく、

失敗しても安心できる発表会

です。


「見せる行事」と「育つ行事」の違い

では、子ども主体の行事とはどのようなものでしょうか。

見せる行事

  • 大人が内容を決める
  • 完成度を重視する
  • 子どもが合わせる
  • 失敗を避ける
  • 結果を評価する

育つ行事

  • 子どもの興味から作る
  • 過程を大切にする
  • 子どもが考える
  • 試行錯誤できる
  • 成長を喜ぶ

もちろん、発表会では保護者に見てもらうことも大切です。

しかし、

「上手に見せる」

ことよりも、

「子どもが成長を実感できる」

ことが重要です。


子ども主体の発表会にするための5つのポイント

① 子どもの興味からテーマを作る

大人が決めた内容を子どもに当てはめるのではなく、

普段の遊びや生活からテーマを見つけます。

例えば、

虫に興味を持っている。

絵本が好き。

ごっこ遊びが盛ん。

そこから発表につなげることができます。


② 練習ではなく「遊び込み」を大切にする

劇の練習ではなく、

劇遊び。

歌の練習ではなく、

歌を楽しむ経験。

子どもが主体的に関われる時間を作ることが大切です。


③ 一人ひとりの参加方法を認める

全員が、

大きな声で。

中央で。

同じ動きで。

参加する必要はありません。

小さな声でも。

見ているだけでも。

その子なりの参加があります。


④ 保護者への伝え方を変える

保護者に伝えるべきなのは、

「完璧な姿」

だけではありません。

ここまでどんな経験をしてきたのか。

どんな成長があったのか。

その過程を伝えることが大切です。


⑤ 職員が余裕を持つ

子ども主体の行事には、保育者の余裕も必要です。

準備に追われ、

「失敗させられない」

という気持ちになると、子どもを見る余裕がなくなります。

行事は、

保育者の力量を見せる場ではありません。

子どもの成長を喜ぶ場です。


園長・主任が見直したい行事チェックポイント

□ 行事の目的を職員で共有している

□ 子どもの姿から内容を考えている

□ 完成度だけを評価していない

□ 練習時間が過度になっていない

□ 子どもの遊び時間を確保している

□ 苦手な子も安心して参加できる

□ 保護者へ過程を伝えている

□ 職員自身が楽しめている


保護者が知っておきたい発表会の見方

保護者の方にとって、我が子の発表会は特別な日です。

「ちゃんとできるかな」

「間違えないかな」

と心配になることもあるでしょう。

しかし、子どもの成長は、

舞台の数分間だけで決まるものではありません。

毎日の遊び。

友達との関わり。

挑戦した経験。

そのすべてが成長につながっています。

発表会では、

完璧な姿

ではなく、

その子らしく頑張る姿

を見てあげてください。


まとめ|行事の主役は「大人」ではなく「子ども」

発表会は、子どもの成長を感じる素晴らしい行事です。

しかし、その目的を忘れてしまうと、

子どものための行事

ではなく、

大人のための行事

になってしまいます。

大切なのは、

「どれだけ上手にできたか」

ではありません。

「子どもがどんな経験をしたか」

です。

子どもが、

楽しかった。

やってみたい。

できた。

友達と協力できた。

そう感じられる行事こそ、本当に価値があります。

行事はゴールではありません。

子どもの育ちを支えるための、大切な過程です。

保育者がその視点を持つことで、発表会はもっと子ども主体の温かい時間になります。

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