保育指導案の書き方|園長経験者が教える、押さえておきたいポイント

保育内容
この記事は約7分で読めます。
  1. 【目次】
  2. ① ねらいに対する評価・反省になっているか
  3. ② 養護と教育の主語を意識する
    1. 養護の主語は「保育者」
    2. 教育の主語は「子ども」
  4. ③ 晴れの日だけではなく、雨の日の対応も考える
  5. ④ 環境構成や援助が具体的になっているか
  6. ⑤ 子どもの発達段階に合った内容になっているか
  7. 個別のねらいは一人ひとりの育ちに合わせていますか?
  8. 養護と教育を一人ひとりに合わせていますか?
  9. 家庭との連携は、その家庭に合わせていますか?
  10. 全体的な計画 → 年間指導計画
  11. 年間指導計画 → 月案
  12. 月案 → 週案
  13. 内部リンク環境を通して行う保育とは?保育士向けにわかりやすく解説|保育所保育指針の基本理念 | 保育の知見/キャリア情報局 ~保育の学び.COM~5領域とは?保育士向けにわかりやすく解説|遊びとのつながりや10の姿との違いも解説 | 保育の知見/キャリア情報局 ~保育の学び.COM~3つの資質・能力とは?保育士向けにわかりやすく解説|5領域・10の姿とのつながりも紹介 | 保育の知見/キャリア情報局 ~保育の学び.COM~遊びはなぜ大切?保育園で遊ぶことが「学び」になる理由【園長経験から解説】 | 保育の知見/キャリア情報局 ~保育の学び.COM~書類に追われて保育ができない|保育士が感じるジレンマと向き合う | 保育の知見/キャリア情報局 ~保育の学び.COM~

【目次】

  1. 保育指導案とは?子どもの育ちを考えるための計画
  2. 全年齢共通|指導案を書く時に押さえたい5つのポイント
    • ① ねらいに対する評価・反省になっているか
    • ② 養護と教育の主語を意識する
    • ③ 晴れの日・雨の日など環境変化を想定する
    • ④ 環境構成や援助を具体的に書く
    • ⑤ 発達段階に合った内容になっているか
  3. 【0〜2歳児担任向け】乳児の個別指導案で大切なポイント
    • 個別のねらいは一人ひとりに合わせる
    • 養護と教育をその子どもの姿から考える
    • 家庭との連携を具体的に記載する
  4. 【3〜5歳児担任向け】幼児期の指導案で意識したいこと
    • 子ども主体の活動になっているか
    • 子どもの考えや協同性を大切にする
  5. 全体的な計画から週案まで|つながりのある指導計画を作るポイント
    • 全体的な計画
    • 年間指導計画
    • 月案
    • 週案
  6. 指導案は書類ではなく、子どもの育ちを支えるもの

保育指導案とは?子どもの育ちを考えるための計画

保育士にとって、毎月の指導案作成は欠かせない業務のひとつです。

しかし、新人保育士や経験の浅い先生からは、

「ねらいと内容がうまくつながらない」
「評価・反省って何を書けばいいかわからない」
「環境構成や援助の書き方が難しい」

という悩みをよく聞きます。

指導案は、ただ活動予定を書くものではありません。

その活動を通して、子どもがどのような経験をするのか。そのために保育者はどのような環境や援助を準備するのか。

それを整理するための大切な計画です。

今回は、園長として多くの指導案を確認してきた経験から、指導案を書く時に意識してほしいポイントを紹介します。


全年齢共通|指導案を書く時に押さえたい5つのポイント

① ねらいに対する評価・反省になっているか

指導案の最後に書く「評価・反省」。

ここで迷う保育士は多いです。

よくある例として、

「子どもたちは楽しく活動することができた」
「元気に参加する姿が見られた」

という記載があります。

もちろん子どもの楽しむ姿は大切です。

しかし、指導案の評価として考える時には、もう一歩深く見る必要があります。

大切なのは、

「設定したねらいに対して、子どもはどのような姿を見せたのか」

という視点です。

例えば、

ねらい:
「友だちと一緒に遊ぶ楽しさを味わう」

の場合。

評価:

「友だちと声を掛け合いながら遊ぶ姿が見られ、一緒に活動する楽しさを感じていた。一方で、自分の思いを優先する姿もあり、保育者が仲立ちすることで相手の気持ちに気付けるよう援助していきたい。」

このように、子どもの姿と次への援助がつながると、より良い評価になります。


② 養護と教育の主語を意識する

指導案を書く時に、特に間違えやすいポイントが「養護」と「教育」の主語です。

養護の主語は「保育者」

養護とは、生命の保持や情緒の安定を図ることです。

そのため、主語は保育者になります。

例:

○ 保育者が子どもの体調や表情を把握し、安心して過ごせるよう関わる。

○ 保育者が一人ひとりの気持ちを受け止め、安定した生活が送れるよう援助する。

「子どもが安心する」ではなく、

「保育者が安心できる環境を作る」

という視点になります。


教育の主語は「子ども」

教育は、子どもの経験や育ちにつながる部分です。

そのため、主語は子どもになります。

例:

○ 子どもが友だちとの関わりを楽しむ。

○ 子どもが自分の思いを表現しながら遊ぶ。

○ 子どもが自然物に興味を持ち、発見を楽しむ。

「保育者が何をするか」ではなく、

「子どもがどのような経験をするのか」

を考えることが大切です。


③ 晴れの日だけではなく、雨の日の対応も考える

活動内容を考える時、天候による変更も想定できているでしょうか。

例えば、

「園庭で鬼ごっこをする」

という活動の場合。

晴れていれば問題ありません。

しかし、雨の日にどうするのかまで考えられている指導案は、より実践的です。

例:

晴天時:
園庭で身体を十分に動かして遊ぶ。

雨天時:
室内でサーキット遊びや表現遊びを行い、身体を動かす経験につなげる。

保育は予定通りに進まないことも多くあります。

その時に大切なのは、活動そのものではなく、

「その活動で子どもにどんな経験をしてほしいのか」

という目的です。

目的が明確であれば、環境が変わっても柔軟に対応できます。


④ 環境構成や援助が具体的になっているか

指導案でよく見る表現があります。

「環境を整える」
「見守る」
「必要に応じて援助する」

もちろん間違いではありません。

しかし、具体性がないと、実際の保育場面がイメージしづらくなります。

例えば、

「環境を整える」

ではなく、

「子ども同士が自然に関われるよう、複数の玩具を用意し、遊びの広がりを作る」

「見守る」

ではなく、

「子ども同士のやり取りを見守り、困った時には気持ちを言葉にできるよう援助する」

というように、

保育者が何を見るのか、どのような援助をするのか

まで書けると、質の高い指導案になります。


⑤ 子どもの発達段階に合った内容になっているか

最後に大切なのが、発達段階への理解です。

同じ活動でも、年齢によってねらいや援助は変わります。

例えば「友だちと遊ぶ」という活動でも、

2歳児では、

「保育者を仲立ちとして友だちと関わる楽しさを味わう」

5歳児では、

「友だちと相談しながら遊びを進める楽しさを味わう」

というように、求める姿は異なります。

「この年齢なら何ができるか」

だけではなく、

「この年齢だからこそ経験してほしいことは何か」

を考えることが重要です。


【0〜2歳児担任向け】乳児の個別指導案で大切なポイント

乳児期は、一人ひとりの発達差が大きい時期です。

同じクラスでも、

  • 月齢による発達差
  • 生活リズム
  • 食事や睡眠の状況
  • 人との関わり方
  • 興味や遊びの傾向

など、大きく異なります。

そのため、乳児の個別指導案では「クラス全体のねらい」をそのまま当てはめるのではなく、その子どもの現在の姿から考えることが大切です。


個別のねらいは一人ひとりの育ちに合わせていますか?

例えば、

「友だちと仲良く遊ぶ」

というねらいだけでは、その子どもの姿が見えません。

大切なのは、

「今、その子どもがどのような経験を積むことが必要なのか」

を考えることです。

例:

  • 保育者との安定した関わりの中で、自分の思いを表現する
  • 興味のある玩具に触れ、探索活動を楽しむ
  • 生活習慣に必要な経験を少しずつ身につける

など、その子どもの発達に合わせたねらい設定が重要です。


養護と教育を一人ひとりに合わせていますか?

乳児の個別指導案では、養護の視点が特に重要です。

確認したいポイントは、

  • 食事量や食べ方
  • 睡眠時間
  • 排泄の状況
  • 安心できる関わり方
  • 情緒面の安定

などです。

「乳児だから全員同じ」ではなく、

その子どもが安心して生活できるために必要な援助は何か。

という視点で考えます。


家庭との連携は、その家庭に合わせていますか?

家庭との連携欄で、

「家庭と連携を図る」

だけになっていないでしょうか。

大切なのは、

何について家庭と共有するのか

です。

例えば、

  • 家庭での睡眠状況
  • 食事の進み具合
  • 最近できるようになったこと
  • 家庭で興味を持っている遊び
  • 体調面の変化

など、その家庭や子どもの状況に合わせて具体的に記載することで、意味のある個別指導案になります。


【3〜5歳児担任向け】幼児期の指導案で大切なポイント

幼児期になると、子ども自身が考えたり、友だちと協力したりする経験が重要になります。

同じ「遊び」でも、

2歳児:
「保育者を仲立ちとして友だちとの関わりを楽しむ」

5歳児:
「友だちと相談しながら遊びを発展させる」

というように、ねらいは変化します。

「できること」だけを見るのではなく、

その年齢だからこそ経験してほしいこと

を考えることが大切です。


全体的な計画から週案まで|つながりのある指導計画を作る

指導案や月案、週案は、それぞれ別々に作るものではありません。

基本的な流れは、

全体的な計画

年間指導計画

月案

週案

です。


全体的な計画 → 年間指導計画

全体的な計画で示された、

「園として目指す子どもの姿」

をもとに、年間指導計画では、

「その時期にどのような経験をしてほしいか」

を具体化します。


年間指導計画 → 月案

月案では、年間指導計画のねらいや内容をもとに、その月の子どもの姿や季節、行事などを踏まえて計画します。


月案 → 週案

週案では、月案の内容から、

「今週、子どもたちに経験してほしいこと」

を具体的な活動として落とし込みます。

このつながりができていると、

「なぜこの活動をするのか」

が明確になります。

また、指導検査(監査)でも、

計画が一貫してつながっているか

という視点で確認されます。

園長や主任が指導案を見る時も、文章のきれいさだけではなく、

「子どもの姿を捉えた計画になっているか」

を見ています。

※なお、指導計画の様式や記載方法については自治体や園の方針によって異なる場合があります。各園の作成基準も確認しながら作成しましょう。


指導案は子どもの育ちを考えるためのもの

指導案を書くことは、書類を完成させるためだけの作業ではありません。

子どもの姿を予想し、

「どんな経験をしてほしいか」
「そのために保育者は何を準備するか」

を考える時間です。

完璧な文章を書くことよりも大切なのは、

子どもの姿が見える指導案になっているか

ということです。

日々の保育を振り返りながら、子どもの成長につながる指導案作成を目指していきましょう。

内部リンク環境を通して行う保育とは?保育士向けにわかりやすく解説|保育所保育指針の基本理念 | 保育の知見/キャリア情報局 ~保育の学び.COM~5領域とは?保育士向けにわかりやすく解説|遊びとのつながりや10の姿との違いも解説 | 保育の知見/キャリア情報局 ~保育の学び.COM~3つの資質・能力とは?保育士向けにわかりやすく解説|5領域・10の姿とのつながりも紹介 | 保育の知見/キャリア情報局 ~保育の学び.COM~遊びはなぜ大切?保育園で遊ぶことが「学び」になる理由【園長経験から解説】 | 保育の知見/キャリア情報局 ~保育の学び.COM~書類に追われて保育ができない|保育士が感じるジレンマと向き合う | 保育の知見/キャリア情報局 ~保育の学び.COM~

コメント

タイトルとURLをコピーしました