この記事でわかること
- 5歳児保育の本質
- 小学校入学前に本当に必要な力
- 「教え込む保育」が逆効果になる理由
- 5歳児の主体性を育てる関わり方
- 園長が見る「良い5歳児クラス」の特徴
年長だから何でもできるわけではない
5歳児クラス。
保育園や幼稚園では最年長。
運動会。
発表会。
卒園式。
行事の中心になることも多く、
自然と期待も大きくなります。
「もう年長さんなんだから。」
「もうすぐ小学生なんだから。」
そんな言葉を耳にする機会も増えるでしょう。
しかし、
5歳児は決して完成形ではありません。
まだまだ子どもです。
失敗もします。
甘えたい日もあります。
できる日もあれば、
できない日もあります。
だからこそ、
求められるのは厳しさではなく、
成長に合わせた関わりなのです。
5歳児は「任せてもらう経験」で成長する
0歳児は応答してもらう。
1歳児はやってみる。
2歳児は選ぶ。
3歳児はルールを知る。
4歳児は相手の気持ちを理解する。
そして5歳児は、
「自分たちでやってみる」
段階へと進みます。
活動の準備。
当番活動。
話し合い。
ルール作り。
友達同士で解決する経験。
これらを通して、
社会の中で生きていく力を身につけていきます。
小学校準備で本当に必要な力とは
年長になると、
文字。
数字。
時計。
ひらがな。
計算。
こうしたものに意識が向きやすくなります。
もちろん、
興味を持つことは素晴らしいことです。
しかし、
就学前に本当に必要な力は、
それだけではありません。
困った時に助けを求められること。
友達と話し合えること。
自分の気持ちを言葉で伝えられること。
最後まで挑戦してみようと思えること。
失敗してももう一度やってみようと思えること。
小学校生活を支えるのは、
こうした非認知能力の部分なのです。
「教える保育」が主体性を奪うこともある
5歳児になると、
つい大人は教えたくなります。
先回りして伝える。
答えを教える。
失敗しない方法を教える。
もちろん必要な場面もあります。
しかし、
いつも大人が正解を持っている環境では、
子どもたちは考えなくなってしまいます。
どうしたらいいと思う?
みんなはどう考える?
他の方法はあるかな?
こうした問いかけこそが、
考える力を育てていきます。
園長が見る「良い5歳児クラス」の共通点
私が5歳児クラスを見る時、
必ず見ていることがあります。
それは、
保育者がどれだけ子どもを信じて任せているか。
すぐに答えを教えていないか。
すぐに仲裁に入っていないか。
すぐに大人が決めていないか。
もちろん、
危険な場面や大きなトラブルは別です。
しかし、
子ども同士で考え、
話し合い、
解決する経験は、
年長児だからこそ積み重ねてほしい経験です。
良い5歳児クラスほど、
保育者は前に出すぎません。
少し後ろから支えています。
「任せる」と「放任」は違う
ここで勘違いしてはいけないことがあります。
それは、
任せることと、
放任することは違うということです。
困った時には支える。
必要な時には助ける。
安全は守る。
その上で、
できる部分は子どもに委ねる。
この距離感こそ、
5歳児保育の専門性だと思います。
保育所保育指針でも重視される主体的な活動
保育所保育指針では、
幼児が主体的に環境と関わり、
仲間と協力しながら活動することの重要性が示されています。
5歳児は、
まさにその集大成の時期です。
保育者の役割は、
教えることだけではありません。
子どもたちが自ら考え、
行動し、
挑戦できる環境を整えることです。
まとめ
5歳児保育の本質は、
教え込むことではありません。
任せることです。
信じることです。
待つことです。
子どもたちは、
大人が思っている以上に多くの力を持っています。
話し合う力。
協力する力。
乗り越える力。
そして、
挑戦する力。
それを引き出すためには、
大人が一歩引く勇気も必要なのだと思います。
5歳児保育は、
「教える保育」の終わりではありません。
「子どもを信じて任せる保育」の始まりです。
その経験が、
小学校だけではなく、
これから先の人生を支える大きな土台になっていくのだと思います。
参考資料
- 保育所保育指針(こども家庭庁)
- 保育所保育指針解説書(こども家庭庁)
- 幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン(こども家庭庁)
- 幼保小の架け橋プログラム(文部科学省・こども家庭庁)







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