この記事でわかること
- 心理的安全性とは何か
- なぜ新人が育つ園ほど心理的安全性が高いのか
- マニュアルだけでは人が育たない理由
- 園長や主任が作るべき組織文化
- 明日からできる心理的安全性の作り方
「マニュアルを作れば解決する」と思っていませんか?
保育現場で問題が起きると、
マニュアルを作ろう。
ルールを増やそう。
チェック表を作ろう。
こういった話になることがあります。
もちろん必要です。
事故防止。
情報共有。
業務の標準化。
保育の質の担保。
どれも重要です。
しかし、園長として感じることがあります。
それは、
マニュアルだけでは人は育たない。
ということです。
心理的安全性とは何か
心理的安全性とは、
「この職場では、自分の意見や疑問、失敗を安心して伝えることができる。」
という状態を指します。
Googleが行った組織研究「プロジェクト・アリストテレス」でも、高い成果を出すチームに最も共通していた要素として挙げられています。
保育現場で言い換えるなら、
- 分からないことを聞ける
- 困ったことを相談できる
- 失敗を隠さず報告できる
- 自分の意見を言える
そんな空気がある状態です。
新人が辞める園は「失敗できない園」
新人が辞める理由として、
- 人間関係
- 指導方法
- 仕事量
- 保護者対応への不安
様々なものがあります。
しかし、その根底にあるものの一つが、
「失敗が許されない空気」
です。
質問すると怒られる。
報告すると責められる。
相談するとため息をつかれる。
すると新人は学習します。
聞かない。
相談しない。
報告しない。
そして、一人で抱え込むようになります。
人が育つ園は「まず話していい」を作っている
育つ園の主任や園長は、
困っていない?
最近どう?
何か気になることはある?
と日常的に声をかけています。
大切なのは、
問題が起きてから話を聞くことではありません。
問題が起きる前から話せる関係を作ることです。
相談することが特別ではない。
報告することが当たり前。
そういう文化を作っている園ほど、人が育ちます。
心理的安全性は一日では作れない
ここが最も大切なポイントです。
心理的安全性は、
会議で「何でも言っていいですよ。」
と宣言したからできるものではありません。
研修を一回実施したからできるものでもありません。
日々の小さな積み重ね。
それによって作られていくものです。
例えば、
職員から話しかけられた時。
手を止める。
体の向きを相手に向ける。
目を見て話を聞く。
このような園長や主任と、
パソコンを見ながら。
書類を書きながら。
耳だけで返事をする園長や主任。
どちらが話しかけやすいでしょうか。
答えは言うまでもありません。
心理的安全性とは、
こうした何気ない関わりの積み重ねによって作られていくのです。
正解を求めすぎる組織は苦しくなる
保育現場では、
間違えないこと。
失敗しないこと。
正しくやること。
これを求められる場面が多くあります。
もちろん大切です。
しかし、
常に正解を求められる環境は、
人を萎縮させます。
新人は、
失敗してはいけない。
相談してはいけない。
迷惑をかけてはいけない。
そう感じるようになります。
プレッシャーは必要です。
しかし、
過度なプレッシャーは挑戦を奪います。
心理的安全性は「甘やかすこと」ではない
ここはよく誤解されます。
心理的安全性とは、
何をしても怒られないことではありません。
何をしても許されることでもありません。
必要な指導は必要です。
改善も必要です。
再発防止も必要です。
ただ、
人格を否定しない。
挑戦を否定しない。
相談したことを後悔させない。
間違いを責める前に、まず受け止める。
これが心理的安全性です。
「この人は自分を否定しない」と思える関係性
職員は意外とよく見ています。
失敗した時。
相談した時。
困っている時。
その時に、
まず話を聞いてくれる人なのか。
一人の人として向き合ってくれる人なのか。
その積み重ねが信頼になります。
そして、
「この人なら話しても大丈夫。」
という安心感につながっていきます。
心理的安全性とは制度ではありません。
人と人との関係性そのものなのです。
園長の一言が園の文化を作る
怪我が起きた。
保護者対応でミスをした。
連絡漏れがあった。
その時、園長が最初に何を言うか。
「なんでこうなった?」
なのか。
「まず報告してくれてありがとう。」
なのか。
職員はよく見ています。
園長の言葉は、
園の文化になります。
主任の言葉は、
クラスの文化になります。
だからこそ、
管理職ほど言葉を大切にしなければなりません。
園長として最初に作るべきもの
園長になると、
マニュアルを整えたくなります。
会議資料。
ルール。
チェック表。
運用フロー。
もちろんどれも必要です。
しかし、
それより先に作るべきものがあります。
それは、
「この園なら相談できる。」
という安心感です。
この土台がある園では、
人が育ちます。
挑戦が生まれます。
失敗が共有されます。
そして結果として、
事故も離職も減っていきます。
まとめ
園長が最初に作るべきなのは、
マニュアルではありません。
心理的安全性です。
分からないと言える。
困ったと言える。
失敗を報告できる。
相談できる。
そんな職場だからこそ、
新人は育ちます。
主任も育ちます。
園全体が成長します。
マニュアルは組織を動かします。
しかし、
心理的安全性は人を動かします。
そして心理的安全性は、
特別な研修や制度ではなく、
日々の会話。
表情。
相づち。
目線。
向き合い方。
そんな小さな積み重ねによって作られていくものなのだと思います。






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