認可保育園で働いていると、意外と迷うことが多いのが「保育士配置基準」です。
「0歳児が何人いたら、保育士は何人必要?」
「1・2歳児は6人につき1人で合っている?」
「3歳児や4・5歳児の配置基準は変わったの?」
園長や主任だけでなく、クラス担任でも知っておきたい内容です。
保育士配置基準とは、子どもの人数や年齢に応じて、保育所に必要な保育士数を定めた基準です。
ただし、実際の園運営では、年齢別の数字だけを見ればよいわけではありません。
自治体条例、経過措置、時間帯ごとの保育体制なども関係します。
この記事では、まず認可保育園で押さえておきたい基本的な配置基準に絞って解説します。
早番・遅番、合同保育、保育士以外の職員を配置する場合など、実際の運用については別記事で詳しく解説しています。
なお、この記事は2026年8月時点の国の基準をもとにしています。実際の配置については、必ず所在自治体の条例、通知、指導基準等を確認してください。
保育士配置基準とは?
保育士配置基準とは、簡単に言えば、
「子どもの人数や年齢に応じて、保育所に何人以上の保育士を配置する必要があるか」
を示した基準です。
国の「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」では、保育所に必要な保育士数について年齢ごとの考え方が定められています。
保育園を運営するうえでは当然守らなければならない基準ですが、本来の目的は「監査で指摘されないこと」ではありません。
子どもの安全を守り、発達に応じた保育を行うための土台になるものです。
2026年時点の年齢別保育士配置基準
国の設備運営基準では、原則として次の基準が示されています。
| 子どもの年齢 | 国の配置基準 |
|---|---|
| 0歳児 | おおむね3人につき保育士1人以上 |
| 1・2歳児 | おおむね6人につき保育士1人以上 |
| 3歳児 | おおむね15人につき保育士1人以上 |
| 4・5歳児 | おおむね25人につき保育士1人以上 |
また、国の設備運営基準では、保育所全体として保育士の数を2人未満とすることはできないことも定められています。
保育士の対人数を自動計算してみよう
「自園の子どもの人数では、保育士が何人必要になるのだろう?」
そんなときに使えるよう、年齢別の児童数を入力するだけで計算できる簡易ツールを用意しました。
0〜5歳児の人数を入力すると、国の基本的な配置比率に基づく保育士数の参考値が表示されます。
1歳児については、5対1・6対1の2種類から選択できます。
※このツールは配置人数を確認するための参考計算です。自治体ごとの配置基準、端数処理、経過措置、職員の資格要件等を反映した法令上の適否判定ではありません。実際の配置については所在自治体の基準をご確認ください。
保育士の対人数・参考計算ツール
その時間帯の園児数を入力してください。1歳児は「5対1」「6対1」を切り替えられます。計算値は小数のまま表示します。
年齢別の計算内訳
| 年齢 | 園児数 | 比率 | 人数相当 |
|---|
このツールは比率に基づく参考計算です。1歳児の5対1・6対1は選択式であり、どちらを適用すべきかを判定するものではありません。自治体の条例・経過措置・端数処理・年齢区分・最低配置人数・時間帯別運用等によって必要数は異なります。子育て支援員・看護師・みなし保育士等の特例算入は対象外です。園長・主任の実際の配置上の扱いも自治体に確認してください。表示値のみで配置の適法性を判断しないでください。
ここで注意したいのが、3歳児と4・5歳児です。
3歳児については、従来の20対1から15対1へ、4・5歳児については30対1から25対1へ配置基準が改善されています。
一方で、保育士等の確保状況を踏まえた経過措置も設けられています。
3歳児については、一定の場合に従前の20対1を認める経過措置が2028年3月31日まで設けられています。4歳以上児についても、一定の場合に従前の基準を適用できる経過措置があります。
そのため、実際の園で適用される基準については自治体への確認が必要です。
0歳児の配置基準
0歳児は、おおむね3人につき保育士1人以上が基本です。
0歳児保育では、
・授乳
・離乳食
・睡眠
・排泄
・健康状態の確認
・一人ひとりの生活リズムへの対応
など、個別の援助が多く必要になります。
そのため、他の年齢よりも手厚い配置基準になっています。
例えば、0歳児3人に対して保育士1人という比率が基本になります。
ただし、実際の必要人数を判断するときには、単純にクラスごとの人数を割って機械的に切り上げればよいとは限りません。
国の基準は「おおむね○人につき1人」と定められており、自治体の条例や配置人数の算定方法も確認する必要があります。
特に複数の年齢の子どもがいる園では、年齢別の人数をどのように算定するかについて自治体の運用に従うことが重要です。
1・2歳児の配置基準
1歳以上3歳未満の子どもについては、おおむね6人につき保育士1人以上が基本です。
1・2歳児は歩行が安定し、活動範囲が大きく広がっていく時期です。
その一方で、
・自分の思いを十分に言葉にできない
・友達とのトラブルが増える
・食事や排泄など生活面の援助が必要
・危険を予測して行動することが難しい
といった姿もあります。
「6対1だから6人なら1人で十分」と数字だけで考えるのではなく、実際の子どもの姿や活動内容も見ながら保育体制を整えることが大切です。
3歳児の配置基準
3歳児については、国の設備運営基準では、おおむね15人につき保育士1人以上とされています。
以前の20対1から改善された部分です。
3歳児になると、自分でできることは増えてきます。
一方で、
・友達との関係づくり
・自分の思いの表現
・感情の調整
・集団生活への参加
など、まだまだ保育者の援助が必要な時期です。
なお、2026年時点では3歳児配置について経過措置が残っています。
保育士等の配置状況から保育の提供に支障を及ぼすおそれがある場合には、一定期間、従前の20対1を適用できる仕組みがあり、その終期は2028年3月31日とされています。
自園にどの基準が適用されているかは、自治体の基準を確認しておきましょう。
4・5歳児の配置基準
4歳以上児については、国の設備運営基準では、おおむね25人につき保育士1人以上が原則です。
こちらも従来の30対1から改善されました。
4・5歳児になると、子ども同士で遊びを発展させたり、自分たちで考えて行動したりする姿が増えていきます。
しかし、
「大きくなったから保育者は少なくても大丈夫」
ということではありません。
友達との関係、集団での活動、就学へ向かう育ち、一人ひとりの発達や個性などを見ながら、保育者が必要な援助をしていくことに変わりはありません。
4歳以上児についても、保育士等の配置状況を踏まえ、一定の場合に従前の30対1を適用できる経過措置が設けられています。
配置基準の計算は「子どもの人数÷基準人数」だけではない
現場では、
「0歳児が5人だから5÷3」
「3歳児が20人だから20÷15」
というように考えることがあります。
考え方を理解するためには分かりやすい方法ですが、実際の法定配置人数を確定するときには注意が必要です。
配置基準は園全体の児童数や年齢構成、自治体の算定方法等を踏まえて確認する必要があります。
国の基準自体も「おおむね○人につき1人」という規定になっています。
そのため、
「割り算の結果を年齢ごとにすべて切り上げれば、全国どこでも正しい」
と覚えるのは避けた方がよいでしょう。
園長や主任が実際の職員配置数を判断する際には、所在自治体が示している算定方法を確認することが必要です。
配置基準はクラス担任数とは同じではない
もう一つ混同しやすいのが、
「配置基準上必要な保育士数」
と、
「各クラスに配置する担任数」
です。
この2つは必ずしも同じ意味ではありません。
例えば、配置基準上の人数を満たしていたとしても、
・個別の配慮が必要な子どもがいる
・新年度で子どもが不安定になっている
・活動内容上、複数の保育者が必要
・食事や午睡など個別対応が重なる
といった状況では、基準以上の職員を配置する必要性が出てきます。
配置基準は、あくまで保育体制を考える出発点です。
配置基準は「最低限守ればよい人数」ではない
国の設備運営基準は、児童福祉施設に対して、最低基準を超えて設備や運営を向上させることを求めています。
ここは園運営を考えるうえで、とても重要です。
例えば、同じ3歳児15人でも、
落ち着いて遊べている日と、複数の子どもに個別の援助が必要な日では、保育者に求められる動きは違います。
散歩へ行く。
水遊びをする。
食事をする。
午睡へ移行する。
活動によっても必要な体制は変わります。
だからこそ、
「配置基準を満たしているから大丈夫」
で終わらせないことが大切です。
「今日の子どもの姿に対して、この配置で安全に丁寧な保育ができるだろうか」
という視点まで持つ必要があります。
人数だけでなく「誰をどこに配置するか」も大切
園長としてシフトを見るとき、私が大切だと感じるのは、人数だけではありません。
同じ5人の職員が勤務していても、
・経験年数
・乳児保育の経験
・そのクラスの子どもへの理解
・職員同士の組み合わせ
・その日の活動
によって、保育の安定感は変わります。
配置基準を満たすことは当然必要です。
そのうえで、
「誰を、どの時間帯に、どこへ配置するのか」
まで考えることが園運営には求められます。
早番・遅番・合同保育は別の視点が必要
配置基準について最も迷いやすいのが、早朝や夕方です。
日中は年齢別にクラス保育をしていても、
朝夕は異年齢合同保育になる園も多いと思います。
また、
・開園直後
・職員の休憩時間
・延長保育
・土曜保育
では、日中とは違う勤務体制になります。
こうした時間帯については、年齢別の基本配置基準だけでは判断できないことがあります。
さらに、保育士以外の職員を一定の条件で配置人数として扱える特例もあります。
早番・遅番・合同保育や、いわゆる「みなし保育士」の考え方については、別記事で詳しく解説しています。
まとめ
認可保育園の保育士配置基準について、2026年時点の国の原則は次のとおりです。
| 年齢 | 原則となる配置 |
|---|---|
| 0歳児 | おおむね3人につき1人以上 |
| 1・2歳児 | おおむね6人につき1人以上 |
| 3歳児 | おおむね15人につき1人以上 |
| 4・5歳児 | おおむね25人につき1人以上 |
ただし、3歳児・4歳以上児には経過措置があり、実際の適用状況は確認が必要です。
また、配置基準は単なる人数合わせではありません。
子どもの安全を守る。
一人ひとりの発達や思いを見る。
保育者が安心して子どもと関わる。
そのための土台です。
「基準上足りているか」を確認したうえで、
「この配置で、本当に子どもを安全に丁寧に見ることができるか」
まで考える。
そこまで含めて、保育士配置を考えていきたいと思います。
※本記事は2026年8月時点の国の設備運営基準等をもとに整理しています。配置基準、経過措置、算定方法等については自治体条例や運用によって確認が必要なため、実際の園運営では必ず所在自治体の最新資料をご確認ください。

