発達支援が必要な子どもへの対応で大切なのは「一人の保育士の力」ではない|現役園長が考えるチーム保育の重要性

保育内容
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この記事でわかること

  • 発達支援が必要な子どもへの対応で現場が抱える悩み
  • 専門知識だけでは解決できない保育の難しさ
  • 園長・主任に求められる役割
  • 担任一人に負担を集中させないチーム保育の考え方
  • 子ども・保護者・職員が安心できる園づくりのポイント

「この子にどう関わればいいのか」と悩む保育士へ

保育現場では、近年、

「気になる子」

「配慮が必要な子」

への関わりについて悩む保育士が増えています。

集団生活の中では、

  • 活動への参加が難しい
  • 気持ちの切り替えに時間がかかる
  • 友達との距離感が難しい
  • 強いこだわりがある
  • 感情を表現することが苦手
  • 言葉で気持ちを伝えることが難しい

など、一人ひとり異なる姿があります。

また、外国にルーツを持つ子どもなど、言葉や文化背景の違いから配慮が必要になるケースもあります。

保育士は、

「どうしたらこの子が安心して園生活を送れるのか」

「どんな関わりがこの子の成長につながるのか」

を真剣に考えています。

しかし同時に、

「自分の関わり方は正しいのだろうか」

「もっと専門的な知識が必要なのではないか」

と悩みを抱える先生も少なくありません。


私は発達支援の専門家ではありません

この記事を書く前に、最初にお伝えしたいことがあります。

私は、発達支援を専門的に研究してきた立場ではありません。

もちろん、保育現場で必要となる知識として学び続けています。

しかし、

「発達支援について誰よりも詳しい専門家です」

という立場ではありません。

では、なぜこの記事を書くのか。

それは、園長として現場を見てきた中で、

発達支援が必要な子どもへの対応は、知識だけでは成り立たない

と感じているからです。

保育現場で本当に必要なのは、

専門知識を持った一人の先生だけではなく、

園全体で子どもを支える仕組みです。


発達支援で大切なのは「困った子」にしないこと

保育の中で、子どもの行動に悩む場面があります。

例えば、

・集団活動に参加できない
・友達とのトラブルが多い
・落ち着いて座ることが難しい
・急な予定変更が苦手

こうした姿を見ると、大人はつい、

「困った行動」

として捉えてしまうことがあります。

しかし、子どもの立場から考えると、

それは、

「困っているサイン」

かもしれません。

なぜその行動が起きているのか。

何に不安を感じているのか。

どんな環境なら安心できるのか。

そこを考えることが保育です。

子どもを変えようとするのではなく、

子どもが安心して過ごせる環境を整えること。

それが大切な視点になります。


知識だけでは解決できない発達支援の難しさ

もちろん、発達に関する知識は必要です。

発達の特性を理解すること。

子どもの認知や感覚の違いを知ること。

適切な関わり方を学ぶこと。

これらは保育の質を高めるために欠かせません。

しかし、

知識を知っているだけでは十分ではありません。

なぜなら、子どもは一人ひとり違うからです。

同じような特性があったとしても、

好きなこと。

苦手なこと。

安心できる関わり。

不安になる場面。

必要な援助。

すべて異なります。

大切なのは、

「知識を当てはめること」

ではなく、

「その子自身を理解しようとすること」

です。


現場の保育士が本当に悩んでいること

発達支援に関して、保育士が悩んでいるのは、

「何も知らないから」

だけではありません。

むしろ多くの場合、

「分かっていても実践する難しさ」

です。

例えば、

その子に合わせた援助をしたい。

でも、

クラス全体を見る必要がある。

他の子どもへの関わりも必要。

保護者対応もある。

書類や日々の業務もある。

一人の保育士がすべてを抱えるには限界があります。

だからこそ、

発達支援は担任だけの問題ではありません。

園全体で考える必要があります。


園長・主任に求められる役割は「専門家になること」ではない

園長や主任になると、

「すべてのことを自分が分からなければいけない」

と思ってしまう人もいます。

しかし、管理職に求められる役割は、

自分一人ですべて対応することではありません。

大切なのは、

必要な人につなぐこと。

職員が相談できる環境を作ること。

園全体で考える仕組みを作ること。

です。

園長の役割は、

「一番詳しい人になること」

ではなく、

「職員が安心して力を発揮できる環境を作ること」

だと私は考えています。


良い園は、問題を個人の責任にしない

発達支援が必要な子どもへの対応で避けたいことがあります。

それは、

「担任の先生の力量不足」

で終わらせることです。

もちろん、保育士自身が学ぶことは大切です。

しかし、

一人の先生に責任を背負わせるだけでは、必ず疲弊します。

良い園は、

「この先生がどうにかする」

ではなく、

「園としてどう支えるか」

を考えます。

例えば、

  • 職員間で子どもの姿を共有する
  • 対応方法を一緒に考える
  • 必要な研修機会を作る
  • 専門機関との連携を検討する
  • 保護者との関係づくりを支える

こうした積み重ねが、子どもにとって安心できる環境につながります。


職員が相談できる園づくりが最も大切

発達支援に限らず、保育現場で重要なのは、

「困った時に相談できる文化」

です。

しかし、現場では、

「自分の力不足と思われたくない」

「できない先生と思われたくない」

という気持ちから、一人で抱え込んでしまうことがあります。

だからこそ管理職には、

相談しても否定されない環境づくり

が求められます。

「どうしてできないの?」

ではなく、

「一緒に考えよう」

と言える園。

それが職員の安心につながり、結果として子どもの安心にもつながります。


子どもを支えるためには、保育士を支える必要がある

園長として強く感じることがあります。

子どもを大切にするためには、

まず保育士が安心して働ける環境が必要です。

余裕がない状態では、

子どもの小さな変化に気付くことが難しくなります。

相談できない環境では、

良いアイデアも生まれません。

保育の質を高めるためには、

職員を支える仕組みづくりが欠かせません。


まとめ|発達支援は「個人の力」ではなく「チームの力」で向き合うもの

発達支援が必要な子どもへの対応は、

簡単な答えがあるものではありません。

専門知識も必要です。

経験も必要です。

しかし、それ以上に大切なのは、

子どもを理解しようとする姿勢。

職員同士で考える環境。

園全体で支える仕組み。

です。

保育士一人が頑張る園ではなく、

すべての職員が子どもの成長を支えられる園。

そんな環境を作ることが、園長や主任に求められる役割です。

子どもの行動を変えるのではなく、

その子が安心して育つ環境を整える。

そして、その環境を作るために職員を支える。

それが、これからの保育に必要なチーム保育の考え方です。

内部リンク
「保育は環境で8割決まる」
「子どもの主体性とは?」
「学び続ける保育士に必要な力」
「保育士がキャリアアップする人・しない人の違い」
「園内研修ネタ30選」

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